東京都23区で増えるアライグマ被害とは?生態・繁殖期・屋根裏リスク・対策を解説

目次

はじめに

東京都23区でも、アライグマの目撃や被害相談は珍しいものではなくなってきました。
屋根裏への侵入、夜間の足音、糞尿による悪臭や衛生被害など、都市部ならではのトラブルも増えています。


本記事では、東京都23区でアライグマが問題視される背景を踏まえ、生態や繁殖期、感染症リスク、家庭でできる対策、東京都や各区の取り組みまでわかりやすく解説します。

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    東京都23区でもアライグマ被害が増えている

    東京都のアライグマ相談件数の推移(直近6年度)
    東京都合計(区部+多摩地域)。単位:件
    0 450 900 1350 1800 521 R1 873 R2 980 R3 1,440 R4 1,452 R5 1,710 R6 年度
    R1年度:区部 203件 / 多摩地域 318件 / 東京都合計 521件
    年度 区部 多摩地域 東京都合計
    R1年度 203 318 521
    R2年度 402 471 873
    R3年度 400 580 980
    R4年度 571 869 1,440
    R5年度 775 677 1,452
    R6年度 856 854 1,710
    ※東京都合計は、東京都公式資料の「区部」と「多摩地域」のアライグマ相談件数を合算して作成。
    ※相談件数は、東京都資料上の「目撃情報及び被害情報等の件数」です。
    出典:東京都環境局「相談件数の推移(令和8年4月現在)」
    https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/soudannkennsuu-1

    東京都 23区 アライグマ」で検索する人が増えている背景には、実際に都市部での目撃や相談が身近な問題になっていることがあります。

    近年は、東京都内でも区部での生息範囲の拡大が指摘されており、23区でも生活環境への影響が無視できなくなっています。
    特に23区では、畑や果樹園への被害よりも、住宅への侵入や衛生面のトラブルとして被害が表面化しやすいのが特徴です。

    アライグマとはどんな動物?東京都の住宅地で問題になる理由

    アライグマは北米原産の外来種で、日本では特定外来生物に指定されています。
    ペットとして飼われていた個体の放逐や逸走、飼育施設からの逃亡などをきっかけに野生化し、全国各地に広がりました。
    見た目は愛らしく見えるかもしれませんが、雑食性で適応力が高く、住環境や生態系にさまざまな影響を与える動物です。

    夜行性・雑食性・高い適応力が被害を広げる

    アライグマの生態

    • 基本的に夜行性で、日中は暗く静かな場所に身を潜めている
    • 樹洞や廃屋だけでなく、民家の屋根裏や天井裏もねぐらとして利用
    • 食性は、野菜・果物・小動物・魚・昆虫・ペットフード・生ごみなど幅広い

    こうした特徴は、東京都23区の住宅地と非常に相性が悪いといえます。

    人が暮らす場所には食べ物のにおいがあり、雨風をしのげる空間も多く、アライグマにとっては暮らしやすい条件がそろっています。
    しかも冬眠しないため、年間を通じて被害が起こる可能性があります。

    なぜ都市部の住宅地や屋根裏に入り込むのか

    都市部の住宅には、外壁の継ぎ目、換気口、軒下、床下通気口、屋根まわりなど、小動物が侵入しやすい隙間が意外と多くあります。
    アライグマはそうした小さな侵入口を見つけ、屋根裏や天井裏に入り込んでしまいます。
    外から見えにくく、人通りも少ない場所は、安心して休める空間になりやすいのです。

    アライグマの繁殖期はいつ?増えやすい時期に注意

    Breeding Flow
    アライグマの繁殖の流れ

    アライグマは年1回繁殖し、冬から初夏にかけて交尾・出産・子育ての流れが進みます。特に 住宅地の屋根裏や天井裏は使われやすく、 住み着き被害につながる時期として注意が必要です。

    基本
    01
    交尾期

    一般的に1月〜3月ごろに交尾します。アライグマは寒い時期から繁殖行動を始めるのが特徴です。

    注意
    02
    ねぐら探し

    交尾後は出産に向けて安全な場所を探します。 暗く静かな屋根裏や天井裏は、利用されやすい空間です。

    警戒
    03
    出産期

    出産は一般的に4月〜6月ごろです。春から初夏は 住み着き被害が目立ちやすい時期になります。

    注意
    04
    1回の産仔数

    1回の出産で3〜6頭程度を産むとされ、 条件が整うと個体数が増えやすい要因になります。

    注意
    05
    若齢でも繁殖

    メスは比較的若いうちから繁殖可能です。 繁殖力は決して低くなく、環境が合えば増えやすい特徴があります。

    警戒
    06
    翌年も反復

    このサイクルは年1回繰り返されます。侵入口を放置すると 翌年以降も同じ場所が使われるおそれがあります。

    ポイント:アライグマは年1回繁殖し、一般的に1月〜3月ごろに交尾、4月〜6月ごろに出産します。1回の出産で 3〜6頭程度を産み、若いうちから繁殖可能なため、環境が整うと 個体数が増えやすい動物です。

    東京都23区で起こりやすいアライグマ被害

    東京都23区でアライグマが問題になるのは、目撃が増えること自体よりも、生活環境への被害が深刻化しやすいからです。屋根裏侵入、騒音、悪臭、糞尿被害などは、住宅密集地では特に深刻な悩みになりやすいでしょう。

    屋根裏・天井裏への侵入

    アライグマは、外壁の継ぎ目や屋根まわり、換気口などの隙間から屋内へ侵入し、屋根裏や天井裏に住み着くことがあります。
    こうした場所は日常生活で直接見えないため、被害の発見が遅れやすいのが厄介な点です。

    足音や鳴き声による騒音被害

    夜行性であるアライグマは、夜間に活発に動き回ります。
    そのため、天井裏を走る音や、物を動かすような音、鳴き声などが騒音として問題になることがあります。
    夜中に何度も物音がする場合、アライグマを含む害獣の侵入を疑うきっかけになります。

    糞尿による悪臭・しみ・衛生被害

    屋根裏やベランダ、屋上、敷地内に糞尿をため込まれると、悪臭やしみ汚れが発生します。
    さらに、ダニやノミなどの害虫が発生する原因になることもあります。
    糞尿が蓄積した状態を放置すると、衛生面のリスクが高まり、清掃や消毒にも手間がかかります。

    ペットフードや生ごみ、果実が呼び寄せる原因になる

    東京都23区の住宅地では、外に置きっぱなしのペットフード、生ごみ、熟して落ちた果実などが、アライグマを引き寄せる原因になることがあります。
    本人にそのつもりがなくても、結果的に餌付けになってしまうケースは少なくありません。

    ペットや建物への被害にも注意

    アライグマは雑食性で気性が荒い一面もあり、ペットフードを食べたり、小動物や魚を襲ったりすることもあります。また、建物へ侵入する際に外壁や換気口まわりを傷めることもあり、住環境へのダメージは見た目以上に大きくなる可能性があります。

    アライグマが屋根裏に住み着くと何が危険なのか

    アライグマが屋根裏に住み着く危険性は、単なる動物の侵入というレベルではありません。
    見えない場所で被害が進行しやすく、気づいたときには汚染や破損が広がっているケースもあります。

    見えない場所で被害が進行しやすい

    屋根裏や天井裏は日常的に確認しにくい場所です。
    そのため、侵入直後は異変に気づきにくく、被害が長期化しやすい特徴があります。
    足音や異臭、天井のしみなどのサインが出たときには、すでに住み着いていることもあります。

    繁殖期は子育て場所になるおそれがある

    春から初夏にかけては、屋根裏が出産や子育ての場として使われることがあります。
    こうなると、1頭だけを追い出しても解決しない場合があり、対応が難しくなります。
    子どもが残されると鳴き声や臭いの問題が続く可能性もあります。

    再侵入を防ぐには侵入口対策が欠かせない

    たとえ一度追い出せたとしても、侵入口が残っていれば再侵入のリスクがあります。

    根本的な解決には、侵入口の特定と封鎖、周辺環境の見直しが欠かせません。
    単に追い払うだけでは、同じ被害を繰り返す可能性があります。

    アライグマによる感染症・寄生虫リスク

    アライグマ問題で見落とされがちなのが、感染症や寄生虫のリスクです。
    直接触らなくても、糞尿が蓄積した場所や、動物が出入りした空間には衛生上の問題が残ることがあります。

    Touch / Hover
    アライグマで注意したい感染症と主な症状

    PCではホバー、スマホではタップで各項目が反応するようにした一覧版です。気になる感染症を触ると、その行が見やすく強調されます。

    感染症名
    主な症状
    注意ポイント

    アライグマの糞尿がたまると、悪臭だけでなく、衛生状態の悪化につながります。
    汚れた場所を不用意に触ったり、掃除の際に適切な対策をしなかったりすると、健康面のリスクが高まるおそれがあります。

    アライグマを見つけたときにやってはいけないこと

    アライグマ被害では、慌てて自己判断で対応しないことが重要です。
    見つけたからといって、自分で捕まえたり追い込んだりするのは危険です。

    自分で捕まえようとしない

    アライグマは見た目に反して気性が荒く、追い詰めると噛みつきや引っかきをすることがあります。
    また、法令上も取り扱いに注意が必要な動物です。
    被害が疑われる場合は、自治体窓口や専門業者への相談が基本になります。

    むやみに近づかない・刺激しない

    屋根裏にいる気配があっても、棒などでつついたり、大きな音で追い出そうとしたりすると、かえって暴れたり別の場所へ移動したりするおそれがあります。
    特に繁殖期は警戒心が強くなるため注意が必要です。

    糞尿を素手で処理しない

    糞尿の処理は、衛生面に十分配慮する必要があります。
    素手で触る、マスクなしで掃除するなどの行為は避け、状況によっては専門業者への相談も検討しましょう。

    家庭でできるアライグマ対策と予防法

    アライグマ対策の基本は、侵入させない、寄せつけない、住み着かせないことです。
    早い段階で予防策を取ることで、大きな被害を防ぎやすくなります。

    Checklist
    家庭でできるアライグマ対策と予防法

    アライグマ対策の基本は、侵入させない・寄せつけない・住み着かせないことです。早い段階で予防策を取ることで、大きな被害を防ぎやすくなります。

    特に 侵入口の放置餌になるものの放置 は、被害拡大につながりやすいポイントです。

    東京都や23区が実際に行っているアライグマ対策

    東京都では、「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」に基づき、区市町と連携しながら捕獲などの対策を進めています。アライグマ・ハクビシン対策は、都内全域で取り組むべき課題として位置づけられています。

    東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画とは

    東京都が策定している防除実施計画は、アライグマやハクビシンによる生活環境・生態系・農業への被害を抑えるための基本方針です。
    区市町と連携し、捕獲や相談対応、地域への周知などを進めています。

    東京都が区市町と連携して行う捕獲対策

    東京都では、小型の箱わなを用いた捕獲が進められており、多くの自治体が対策に参加しています。
    行政単位での対応が進んでいることで、目撃だけでなく、生活被害への対応体制も整えられつつあります。

    23区で実施されている現地調査や箱わな設置の例

    世田谷区、北区、練馬区などでは、一定条件を満たした場合に、現地調査や箱わなの設置などを行っています。
    住宅で被害が出ているケースを対象にした支援が中心で、区によって制度や条件は異なります。

    区によって支援条件が異なる点に注意

    23区のすべてで同じ対応が受けられるわけではありません。
    対象が民有地に限られる場合や、目撃だけでは対応対象にならない場合もあります。
    侵入口の補修や清掃・消毒は自己負担になることもあるため、お住まいの区の制度を確認することが大切です。

    アライグマの駆除を業者に依頼するメリット・デメリット

    メリット

    • 現地調査から捕獲、回収まで専門的に対応してもらえる
    • 屋根裏や侵入口など、自分では確認しにくい場所まで見てもらいやすい
    • 追い出しだけでなく、再侵入防止や清掃・消毒まで相談しやすい

    デメリット

    • 費用がかかり、内容によっては高額になりやすい
    • 追い出しだけ、封鎖は別料金など、作業範囲で見積もり差が出やすい
    • 自治体支援を使う場合でも、見回りや連絡など住民側の対応が必要なことがある
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      よくある質問(FAQ)

      東京都23区でアライグマによる被害にはどんなものがありますか?

      屋根裏や天井裏への侵入、夜間の足音や鳴き声、糞尿による悪臭や汚れ、ベランダや敷地内のふん害、ペットフードの食い荒らしなどの生活被害が起こりやすい傾向があります。

      アライグマは屋根裏に住み着くことがありますか?

      あります。アライグマは暗く静かで雨風をしのげる場所を好み、屋根裏や天井裏をねぐらとして利用することがあります。繁殖期には子育て場所になることもあります。

      アライグマには感染症や寄生虫のリスクがありますか?

      はい。アライグマは人獣共通感染症を含む病原体の媒介が問題になる動物です。糞尿がたまった場所や出入りしている空間では、衛生面に十分注意する必要があります。

      まとめ

      東京都23区でも、アライグマはすでに身近な生活問題のひとつになりつつあります。
      屋根裏への侵入、夜間の騒音、糞尿による悪臭や衛生被害、感染症リスクなど、放置するほど対処が難しくなるケースもあります。

      アライグマでお困りごとなどございましたらROY株式会社までお気軽にご相談ください。

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      山田 太郎

      この記事の作成者

      鈴木 海斗

      害虫害獣駆除センター 研究員

      害虫・害獣の生態や効果的な忌避方法を専門に研究する害虫害獣駆除センターの研究員です。 本記事では、自社試験調査の結果や国内外の学術論文に基づくデータをもとに、 信頼性の高い情報をお届けしています。

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