
はじめに
近年は線状降水帯やゲリラ豪雨の発生が増え、これまで浸水したことがない地域でも床下浸水の被害が報告されています。
床下浸水は「床上まで水が来ていないから大丈夫」と思われがちですが、見えない場所だからこそ建物へのダメージが進行しやすい被害です。
木材の腐食やカビ、シロアリの発生につながることもあり、放置はおすすめできません。


床下浸水とは?床上浸水との違い

床下浸水とは、住宅の床下空間に雨水や河川の水が流れ込み、床下に水が溜まった状態を指します。
一方、床上浸水は室内の床まで水が入り込んでしまう状態です。
| 項目 | 床下浸水 | 床上浸水 |
|---|---|---|
| 浸水場所 | 床下のみ | 室内まで浸水 |
| 生活への影響 | すぐには生活できることが多い | 生活が困難になることが多い |
| 見落とされやすさ | 非常に高い | すぐ気付く |
| 放置リスク | カビ・腐食・シロアリ | 建物・家財への被害 |
床下浸水は室内に被害が見えにくいため、「そのうち乾くだろう」と放置されるケースも少なくありません。
しかし、床下は風通しが悪く湿気がこもりやすいため、一度浸水すると木材や断熱材に水分が残りやすい特徴があります。
床下浸水が起こる主な原因

床下浸水は大雨だけが原因ではありません。
住宅周辺の環境や設備の異常によっても発生します。
大雨・線状降水帯による浸水
もっとも多い原因です。
近年は短時間に大量の雨が降るケースが増え、排水能力を超えた雨水が住宅の基礎内へ流れ込むことがあります。
特に
- 線状降水帯
- ゲリラ豪雨
- 台風
- 河川の増水
では床下浸水が急増します。
以前は浸水したことがない地域でも被害が発生しているため、「うちは大丈夫」とは言い切れません。
排水設備のトラブル
住宅周辺の排水設備が正常に機能していない場合も床下浸水の原因になります。
例えば、下記のようなもので
- 側溝の詰まり
- 雨どいの詰まり
- 排水桝の詰まり
- 排水管の逆流
落ち葉や泥が排水口を塞いでしまうだけでも、大雨の際に水が行き場を失い、床下へ流れ込むことがあります。
地盤が低い住宅
道路より敷地が低い住宅では、周囲から雨水が流れ込みやすくなります。
住宅の前で道路が冠水している場合は、床下にも水が入り込んでいる可能性があります。
給排水管からの漏水
雨が降っていないにもかかわらず床下が濡れている場合は、水道管や排水管から漏水しているケースも考えられます。水道料金が急に増えた場合は、漏水も疑ってみましょう。

床下浸水したらまずやるべき応急処置
床下浸水を発見したときは慌てず、安全を最優先に行動してください。
まず床下収納や点検口から水位を確認します。
床下いっぱいまで水がある場合は、自分で床下へ入るのは危険です。
床下には
・電気配線
・給湯器配線
・ポンプ
・コンセント
などがある場合があります。
感電のおそれがあるため、水に入る前にブレーカーを落とせる状況であれば対応しましょう。
無理に近づく必要はありません。
保険申請や修理の際に役立つため、
・床下
・外観
・浸水状況
を写真で残しておきましょう。
浸水した高さがわかる写真があると、後から状況を説明しやすくなります。
「水がなくなったから終わり」ではありません。
床下の木材や断熱材には大量の水分が残っている場合があります。
そのまま放置すると、
・カビ
・悪臭
・木材の腐食
につながる可能性があります。
実は床下浸水で一番怖いのは、水がある時間ではありません。
水が引いた後の高湿度状態です。
床下は風が通りにくく、湿度90%以上の状態が続くことがあります。
この環境はカビやシロアリが繁殖しやすい条件に近いため、「見た目が乾いたから安心」と判断するのは危険です。
床下浸水でやってはいけないNG行動

床下浸水が発生すると、少しでも早く元に戻したいと思うものです。
しかし、間違った対処をすると、かえって被害が大きくなることがあります。
まずは次の行動を避けましょう。
床下へ無理に入る
水深が浅く見えても、床下には電気配線や釘、ガラス片、泥などが隠れている場合があります。
また、床下は狭く足場も悪いため、転倒や感電のおそれもあります。
安全が確認できない状態では、自分で床下へ入ることは避けましょう。
水が引いたからといって何もしない
床下の水は数日で自然に引くことがあります。
しかし、水がなくなっても木材や断熱材には大量の水分が残っていることが珍しくありません。
見た目だけで「乾いた」と判断せず、湿気や臭いが残っていないか確認することが大切です。
すぐに床下収納を閉め切る
床下収納を閉めたままにすると、湿気が逃げにくくなります。
安全が確認できる場合は、一時的に点検口を開けて換気を行うことで乾燥を助けられることがあります。
ただし、扇風機や送風機を使う場合は電気設備の安全を確認してから行ってください。
消毒だけで終わらせる
市販の消毒剤を散布しても、床下に水分が残っているとカビや雑菌の繁殖を完全には防げません。
乾燥・洗浄・必要に応じた消毒まで行って初めて再発防止につながります。
床下浸水を放置するとどうなる?
床下浸水は放置することでさまざまな二次被害につながる可能性があります。

木材が腐りやすくなる
床下の土台や大引などの木材は、長時間湿った状態が続くと腐朽菌が繁殖しやすくなります。
腐食が進行すると床鳴りや床のたわみにつながり、大規模な修繕が必要になることもあります。
カビが発生する
床下はもともと風通しが悪く、湿気がこもりやすい場所です。
浸水後は湿度が非常に高くなるため、カビが繁殖しやすい環境になります。
カビ臭が室内へ上がってくるケースも少なくありません。
シロアリが発生しやすくなる
シロアリは湿った木材を好みます。
浸水したからすぐにシロアリが発生するわけではありませんが、湿気が長期間続くことで発生リスクは高まります。
特に以前からシロアリが生息していた地域では注意が必要です。
断熱材が性能を失う
床下断熱材が水を吸うと、本来の断熱性能が低下することがあります。
冬場の底冷えや結露の原因になることもあるため、断熱材の状態も確認したいポイントです。
悪臭や害虫が発生する
床下へ流れ込んだ泥や落ち葉、有機物が腐敗すると悪臭の原因になります。
さらに湿気を好む虫が発生しやすくなる場合もあります。
ROY株式会社が対応した床下浸水の事例
実際にROY株式会社へご相談いただいた現場では、大雨のあとに「床下収納を開けたら水が見えた」というお問い合わせがありました。
点検を行ったところ、床下全体に雨水が広がり、配管の下まで浸水している状態でした。

このまま放置するとカビや木材の腐食につながる可能性が高い状況でした。
・床下の状況確認
・排水作業
・泥や汚れの除去
・床下の乾燥
・必要に応じた消毒・除菌
までの実施がとても大切です。
床下は普段見えない場所だからこそ、実際に点検して初めて被害の大きさがわかるケースも少なくありません。
床下浸水後に業者へ相談したほうがよいケース
次のような場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
- 泥が大量に流れ込んでいる
- 木材が濡れたままになっている
- 断熱材が濡れている
- 床下収納から水が見える
- 床下に水が残っている
- 床下からカビ臭がする
- 床がきしむようになった
- シロアリ被害が心配
よくある質問(FAQ)
-
床下浸水は自然に乾きますか?
-
水自体は引くことがありますが、木材や断熱材には水分が残る場合があります。臭いや湿気が続く場合は点検をおすすめします。
-
床下浸水でも火災保険は使えますか?
-
契約内容や浸水原因によって異なります。自然災害が対象となる場合もあるため、加入している保険会社へ確認しましょう。
-
床下浸水するとシロアリは必ず発生しますか?
-
必ず発生するわけではありません。しかし、湿気が続くことで発生リスクは高くなるため注意が必要です。
-
自分で排水できますか?
-
少量で安全が確保できる場合を除き、無理な作業はおすすめできません。感電や転倒などの危険があるため、安全を最優先に判断してください。

まとめ

床下浸水は室内に被害が見えにくいため、「そのうち乾くだろう」と放置されることがあります。
しかし実際には、木材の腐食やカビ、悪臭、シロアリなど、見えない場所で被害が進行する可能性があります。
特に近年は線状降水帯やゲリラ豪雨による住宅浸水が増えており、これまで浸水したことがない地域でも油断はできません。
大雨のあとに床下収納を開けて水が見えた場合や、床下からカビ臭がする場合は、一度点検を受けることをおすすめします。
ROY株式会社では、床下浸水の点検から排水、乾燥、洗浄、消毒まで一貫して対応しています。
「床下に水が残っているかわからない」「乾いたように見えるけれど大丈夫か不安」といった場合でも、お気軽にご相談ください。早めの対応が、大切な住まいを守ることにつながります。

