
戸建て住宅の玄関は、家族や来客が毎日利用する出入口である一方、不審者にとっても建物へ直接近づきやすい場所です。鍵を新しくするだけで安心と思われがちですが、実際の防犯では、玄関ドア、錠前、ドア枠、インターホン、防犯カメラ、照明、門扉、玄関アプローチまでを一体として考える必要があります。
特に近年は、留守中を狙う空き巣だけでなく、在宅中の住宅へ侵入する「忍込み」「居空き」や、宅配業者などを装って玄関を開けさせる手口にも注意が必要です。
この記事では、2026年に公表された警察庁の最新統計を確認しながら、戸建て住宅の玄関まわりに絞って、効果的な防犯対策、リフォーム会社へ相談すべきタイミング、ROY株式会社だからこそ提案できるポイントを詳しく解説します。
2026年の空き巣・強盗被害はどのくらい?
2026年の年間件数はまだ確定していません。2026年6月時点で警察庁が公表している最新資料は、1月から5月までの暫定値です。
| 罪種・手口 | 2026年1~5月 | 2021年1~5月 | 5年間の増減 |
|---|---|---|---|
| 住宅対象侵入盗 | 6,216件 | 6,967件 | 751件減(10.8%減) |
| 空き巣 | 4,486件 | 4,656件 | 170件減(3.7%減) |
| 忍込み | 1,474件 | 1,890件 | 416件減(22.0%減) |
| 居空き | 256件 | 421件 | 165件減(39.2%減) |
| 強盗全体 | 658件 | 513件 | 145件増(28.3%増) |
| 侵入強盗全体 | 155件 | 136件 | 19件増(14.0%増) |
2021年及び2026年の住居侵入状況について警察庁犯罪統計をもとにROY株式会社作成
住宅を狙った侵入盗は5年前より減少していますが、空き巣の減少幅は小さく、留守中の住宅には引き続き注意が必要です。
また、強盗全体と侵入強盗は5年前より増えています。玄関まわりの防犯では、空き巣だけでなく、訪問者を装って玄関を開けさせる手口や、在宅中・就寝中の侵入にも備えることが大切です。
それでも、玄関まわりの防犯対策では留守中の空き巣だけを想定するのではなく、在宅中に訪問者を装って玄関を開けさせる手口や、就寝中に侵入する忍込みにも備える必要があります。
※侵入強盗の件数には、住宅だけでなく店舗や事業所で発生した事件も含まれます。
戸建て住宅の玄関まわりで注意したい弱点
短時間の外出や在宅中の無施錠

一戸建て住宅の侵入手口では、鍵の掛かっていない場所から入る「無締り」が多く確認されています。
ゴミ出し、近所への用事、庭の手入れなど、数分の外出でも玄関は必ず施錠しましょう。
在宅中も同様です。家族が2階にいるときや、勝手口側で作業しているときは、玄関付近の異変に気づきにくくなります。「家に人がいるから大丈夫」と考えず、基本的に施錠しておくことが重要です。
古い錠前や1つしかない鍵

玄関ドアに鍵が1つしかない住宅は、侵入者が攻撃する場所を絞りやすくなります。
さらに、古いシリンダーはピッキングや破壊への抵抗力が十分でない場合があります。
ただし、鍵穴だけを高性能なものへ交換しても、ドアと枠の隙間が大きい、受け金具が弱い、ドア本体が劣化しているといった状態では、こじ開けへの対策が不十分です。
ドアスコープや郵便受け付近

玄関ドアの室内側にあるつまみを外部から操作する「サムターン回し」では、ドアスコープを外した穴や、ドアに開けた穴などが悪用される場合があります。
室内側のサムターンにカバーを付けるだけでなく、脱着防止機能のあるドアスコープ、サムターン回し対策錠、郵便受けから手や工具が届きにくい構造などを確認しましょう。
玄関前の死角と暗がり

門柱、大きく育った植木、背の高い塀、物置などで玄関前が道路や近隣住宅から見えにくいと、不審者が身を隠しやすくなります。防犯のために塀を高くした結果、かえって玄関前が死角になるケースもあるため注意が必要です。
戸建て住宅の玄関まわりで行いたい防犯対策
1.玄関をツーロックにする

玄関の鍵が1つだけの場合は、主錠とは別に補助錠を取り付ける「ツーロック」が効果的です。
鍵が2か所あると、侵入するために手間と時間がかかるため、空き巣に狙われにくい玄関に近づけられます。玄関ドアの状態によっては、ドア全体を交換せず、補助錠の追加だけで対策できる場合もあります。
すでに鍵が上下に付いているご家庭では、外出時だけでなく在宅時も2か所とも施錠しましょう。
鍵が1つしかない、錠前が古いと感じる場合は、補助錠の設置や防犯性の高い玄関ドアへの交換を検討するタイミングです。
2.CPマーク付きのドアや錠を選ぶ

玄関ドアや鍵を交換する際は、CPマークが付いた製品を選ぶと安心です。
CPマークは、こじ開けや鍵の破壊などに対して、一定の防犯性能が確認された製品に付けられています。侵入に時間がかかる玄関にすることで、空き巣に狙われにくくする効果が期待できます。
ただし、CPマーク付きの製品に交換するだけで、侵入を完全に防げるわけではありません。ツーロックやセンサーライト、防犯カメラなども組み合わせることで、より防犯性を高められます。
玄関ドアや鍵が古い、防犯性能が分からないという場合は、交換を検討するタイミングです。
3.ドア本体とドア枠を同時に点検する

玄関の防犯性は、鍵だけで決まるものではありません。
ドア本体やドア枠、丁番、内側のドアガード、鍵がかかる部分まで、玄関全体を確認することが大切です。
ドアがぐらつく、閉めても隙間がある、枠がさびている、鍵がかかりにくいといった症状がある場合は、鍵の交換だけでは十分でないことがあります。
状態に応じて、ドア枠の補強や、こじ開けを防ぐガードプレートの設置、玄関ドアの交換を検討しましょう。玄関全体を点検してもらうことで、見た目だけでは分からない弱点を見つけやすくなります。
4.録画機能付きテレビドアホンを設置する

テレビドアホンがあれば、玄関を開ける前に相手の顔や用件を確認できます。
宅配業者や点検業者を装った訪問にも対応しやすくなるため、玄関まわりの防犯対策として効果的です。
録画機能付きなら、不在中に誰が来たのかをあとから確認できます。何度も訪れる不審な人物の記録を残せる点も安心です。
スマートフォンと連携できる機種では、外出先から訪問者を確認したり、応答したりできます。現在のドアホンが音声だけの場合や、映像が見えにくい場合は、交換を検討してみましょう。
ただし、機器を設置していても、予定のない訪問ですぐに玄関を開けないことが基本です。必ず画面越しに相手と用件を確認してから対応しましょう。
5.センサーライトと常夜灯を使い分ける

玄関まわりが暗いと、不審者が人目を避けて近づきやすくなります。
そこで、人が近づいたときに自動で点灯するセンサーライトを設置すると、侵入をためらわせる効果が期待できます。
一方、門灯や足元灯は、夜間も玄関までの通路を明るく保つために役立ちます。センサーライトと常夜灯を組み合わせることで、玄関まわりの死角や暗がりを減らせます。
ただし、照明が強すぎたり、向きが合っていなかったりすると、防犯カメラの映像が見えにくくなることがあります。植木や門柱の影も確認しながら、玄関全体を照らせる位置に設置しましょう。
玄関前が暗い、足元が見えにくいと感じる場合は、照明の増設や交換を検討するタイミングです。
専門業者へ依頼すべきポイント
- 築年数が経過し、古い錠前を使用している
- ドアや枠にがたつき、隙間、腐食、変形がある
- 玄関前が暗く、植木や塀で死角になっている
- スマートロック、カメラ、照明をまとめて設置したい
- 鍵を紛失した、合鍵の所在が分からない
- 不審な訪問や下見と思われる行動が続いている
- 近隣で空き巣や侵入強盗が発生した
- ドアにこじ跡、傷、穴、工具を当てたような跡がある
特に、こじ開け跡や不審なマーキング、繰り返す訪問など、犯罪の可能性がある異変を見つけた場合は、むやみに触れず、危険が迫っているときは110番へ通報してください。緊急性はないものの不安がある場合は、警察相談専用電話「#9110」へ相談できます。

玄関の防犯対策は、防犯カメラ、鍵、照明を個別に取り付ければ完成するものではありません。建物の構造と、人が近づく動線の両方を確認する必要があります。
ROY株式会社では、防犯設備士と一級建築士が連携し、「防犯」と「建築」の両面から戸建て住宅を確認する取り組みを進めています。玄関ドアや錠前だけでなく、ドア枠、外壁、門扉、フェンス、植栽、アプローチ、電源や配線まで含めて検討できる点が特徴です。
たとえば、防犯カメラを付けたい場合でも、映像が鮮明に残る高さや角度だけでなく、雨水が入りにくい配線ルート、外壁への固定方法、将来の点検のしやすさまで考えなければなりません。玄関ドアを交換する場合も、防犯性能だけでなく、断熱性、開閉のしやすさ、段差、避難時の使いやすさ、既存外壁との納まりを確認する必要があります。
総合リフォーム会社であれば、鍵は鍵業者、カメラは電気業者、門扉は外構業者と分けるのではなく、玄関まわりを一つの計画として整理できます。工事の窓口をまとめやすく、設備同士の干渉や施工後の見落としを減らせることもメリットです。
Q&A
-
最初に行うべき防犯対策は何ですか?
-
まずは、短時間の外出や在宅中も玄関を施錠する習慣を徹底してください。そのうえで、ツーロック化、CP部品への交換、録画機能付きインターホンの設置を検討します。
-
補助錠は自分で取り付けてもよいですか?
-
貼り付け式など簡易な製品もありますが、製品選びや位置を誤ると十分な強度を得られないことがあります。ドアへの穴開けが必要な場合や、防火戸、断熱ドアへ取り付ける場合は専門業者へ相談しましょう。
-
玄関ドアは交換せずに防犯性を高められますか?
-
錠前交換、補助錠、ガードプレート、サムターン対策、ドアスコープ交換などで改善できる場合があります。ただし、ドアや枠の劣化が大きい場合は、部分的な対策より玄関ドア全体の交換が適しています。
-
防犯リフォームはどの業者へ依頼すべきですか?
-
鍵だけなら鍵の専門業者も選択肢ですが、ドア交換、カメラ、照明、門扉、外壁工事を伴う場合は、建物全体を確認できる総合リフォーム会社が適しています。防犯設備と建築の両方を説明できるか確認しましょう。
