
冬は年間で最も火災が多い季度です。寒さによる暖房器具の使用増加、空気の乾燥、換気不足、電気機器の過負荷などが重なり、住宅火災のリスクが一気に高まります。
本記事では、冬に火災が増える理由から、よくある原因、具体的な防止策、そして火災後の注意点まで、総合リフォームの専門家であるROY株式会社の知見をもとに、わかりやすく解説します。大切な家族と住まいを守るために、今日からできる対策を始めましょう。
なぜ「冬」は火災が最も多いのか?
冬に火災が発生しやすい背景には、気候条件と生活習慣の両面から複数の要因が重なっています。それぞれを詳しく見ていきましょう。
① 空気が乾燥して燃え広がりやすい
冬は気温が低く、空気中の湿度が大幅に下がります。特に室内では、暖房によってさらに湿度が低下し、湿度30%以下という非常に乾燥した状態になることも珍しくありません。
この乾燥した環境では、木材・紙・衣類・カーテンなどの可燃物が水分を失い、非常に燃えやすい状態になります。通常なら燃え広がるのに時間がかかる素材でも、乾燥していると小さな火でも一気に燃え広がる危険性があります。

また、乾燥した空気は火の勢いを強め、延焼スピードを速めます。小さなボヤのつもりが、気づいたときには手がつけられない大火災になってしまうケースも少なくありません。
② 暖房器具の使用が増える
冬の寒さをしのぐため、様々な暖房器具が長時間使用されます。特に火災原因として多いのが以下の機器です。
石油ストーブ

直接火を使うため、可燃物との接触で即座に着火
電気ストーブ

高温の発熱部が布製品に触れると数秒で発火
こたつ

温度が上昇し、布団や毛布から出火するケースも
特に危険なのが、ストーブ付近に可燃物がある状態です。「ちょっとだけ」と思って洗濯物をストーブの近くに干したり、ソファやクッションを近づけたりすると、一瞬で着火することがあります。
また、就寝時にストーブをつけたまま寝てしまい、寝返りで布団が接触して火災になるケースも後を絶ちません。
③ 乾燥した季節は静電気も火の原因に
冬は静電気が発生しやすい季節です。ドアノブに触れたときの「バチッ」という経験は誰にでもあるでしょう。この静電気、実は火災の原因にもなり得るのです。
特に注意が必要なのは以下のシーンです。
ガソリンや灯油の給油時

静電気の火花がガソリンや灯油の蒸気に引火
可燃性スプレーの使用時

静電気の火花がガソリンや灯油の蒸気に引火
化学薬品の取り扱い時

揮発性の高い溶剤に静電気が着火
セルフ給油所での給油時や、自宅で灯油をポリタンクから移す際は、必ず静電気除去シートに触れてから作業することが重要です。また、衣類の静電気を防ぐために、柔軟剤の使用や加湿も効果的です。
④ 換気不足でガスが充満しやすい
冬は寒いため、窓を開けて換気することが減ります。これにより、室内の空気が停滞し、以下のような危険が高まります。
ガス漏れの蓄積

ガスコンロや給湯器からのガス漏れが室内に充満
灯油の気化

石油ストーブから蒸発した灯油の蒸気が滞留
一酸化炭素の蓄積

不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスク
特にガスや灯油の蒸気は空気より重いため、床面に溜まります。そこに何らかの火源(コンロの火、スイッチの火花など)が加わると、爆発的に燃焼する危険があります。
冬でも定期的な換気は必須です。1時間に1回、5分程度でも窓を開けて空気を入れ替えることで、リスクを大幅に減らせます。
⑤ 古い家は配線劣化による火災が増える
築20年以上の住宅では、電気配線の劣化が進んでいる可能性があります。以下のような状態は特に危険です。
コンセント内部のホコリの蓄積

ホコリと湿気で「トラッキング火災」が発生
配線の被覆の劣化

絶縁体が劣化してショートや漏電が起きる
たこ足配線の常態化

許容電流を超えて配線が過熱
冬は暖房器具やホットカーペット、電気毛布など、電力消費の大きい機器を同時に使用することが増えます。これにより配線に過度な負荷がかかり、配線が過熱して発火するリスクが高まります。
特にコンセントの差し込み口付近が焦げていたり、触ると熱かったりする場合は、すぐに使用を中止し、専門業者に点検を依頼してください。
冬に多い火災原因トップ5
実際に冬季に発生する火災の原因を、発生頻度の高い順に詳しく解説します。これらを知ることで、日常生活での注意点が明確になります。
第1位 ストーブからの出火
冬の火災原因で最も多いのが、ストーブからの出火です。特に危険なのは以下のケースです。

他にもソファ・カーテンへの発火、ペットの毛布への発火、灯油のこぼれが原因になることもあります。
ストーブは”1mルール”で運用しましょう。 ストーブから半径1m以内には、可燃物を一切置かないという鉄則を守ることが重要です。
第2位 コンロの火の消し忘れ

特に危険なのは以下のパターンです。
- 天ぷら油の過熱:少し目を離した隙に油が発火温度に達する
- 煮込み料理の空焚き:水分が蒸発して鍋が空焚き状態になり、鍋底が発火
- グリルの消し忘れ:魚を焼いた後、グリル内に残った油が発火
コンロ火災を防ぐためには、「その場を離れるときは必ず火を消す」という習慣を徹底することが何より大切です。また、最近のIHクッキングヒーターには自動消火機能がついているものもあり、安全性が高まっています。
第3位 電気ストーブ・こたつの過熱
電気ストーブは直接火を使わないため安全に見えますが、実は発熱部が非常に高温になり、近くの可燃物に引火する危険があります。

特にこたつは「火を使っていない」という安心感から油断しがちですが、内部での火災は外から見えにくく、気づいたときには手遅れになることもあります。

電気ストーブ・こたつを使用する際は、周囲に可燃物を置かない、長時間つけっぱなしにしない、コードの状態を定期的にチェックすることが重要です。
第4位 コンセントのホコリ(トラッキング火災)
トラッキング火災とは、コンセントとプラグの間に溜まったホコリが、湿気を帯びて電気を通し、火花を発して発火する現象です。

トラッキング火災を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 定期的にコンセントのホコリを掃除する:掃除機で吸う、乾いた布で拭く
- プラグを差し直す:長期間差しっぱなしにしない
- たこ足配線を避ける:一つのコンセントに複数の機器を接続しない
- トラッキング防止プラグを使用:ホコリが溜まりにくい設計のプラグ
特に冬は暖房器具で電力消費が増え、コンセントへの負荷が高まるため、普段以上に注意が必要です。
第5位 暖房器具の近くでのスプレー使用
ヘアスプレー、殺虫剤、整髪料、制汗スプレーなどは、可燃性の噴射ガス(LPGなど)を含んでいます。これらを暖房器具の近くで使用すると、ガスが引火して爆発的に燃焼する危険があります。

スプレー缶には必ず「火気厳禁」の注意書きがあります。暖房器具を使用している部屋でスプレーを使う場合は、暖房を一時停止し、換気をしてから使用することが基本です。また、使い終わったスプレー缶をストーブの近くに放置するのも危険です。缶内部のガスが熱で膨張し、破裂する恐れがあります。
今日からできる”冬の火災防止策”
火災を防ぐためには、日常的な小さな心がけの積み重ねが重要です。以下の対策は、今日からすぐに実践できるものばかりです。
① ストーブ周りは必ず1m以上離す
ストーブ周辺1m以内は「危険ゾーン」と認識しましょう。

実践のコツ:
- ストーブの周りにマスキングテープで1mの円を描く
- 子どもやペットが近づかないようにガードを設置
- 就寝前は必ずストーブを消す(つけっぱなし厳禁)
ストーブの1mルールを徹底するだけで、ストーブ火災の大部分は防げます。
② コンセントのホコリを掃除する
コンセントの火災を防ぐために、定期的な掃除とメンテナンスを行いましょう。

その他の対策:
- たこ足配線を避ける:一つのコンセントに複数の機器を接続しない
- 定期的に差し直す:長期間差しっぱなしにしない(年に2〜3回)
- トラッキング防止プラグを使用:ホコリが溜まりにくい構造のプラグ
特に冷蔵庫、テレビ、洗濯機など、普段動かさない家電のコンセントは、年末の大掃除のタイミングでチェックすることをおすすめします。
③ キッチン周りは油汚れを残さない
キッチンの油汚れは、火災時に炎を一気に広げる「燃料」になります。

また、天ぷらや揚げ物をする際は、絶対にその場を離れないことが鉄則です。「ちょっとだけ」という油断が、大火災につながります。
④ 電気コードの断線チェック
電気コードの断線は、ショートや発火の原因となります。以下のポイントを定期的にチェックしましょう。

危険なコードの特徴:
- コードに触れると異常に熱い
- コードから焦げた臭いがする
- コードの一部が変色している
- プラグを差すと火花が散る
このような症状がある場合は、すぐに使用を中止し、新しいコードに交換するか、専門業者に相談してください。
⑤ 火災警報器の電池チェック
住宅用火災警報器は、火災の早期発見に非常に重要な役割を果たします。しかし、電池切れや故障で正常に作動しないケースも多いのです。

火災警報器は、火災による死者を減らす最も効果的な手段の一つです。正常に作動することを確認しておきましょう。
火災後の修繕は火災保険が使える可能性も

火災による被害は、火災保険でカバーできるケースがほとんどです。火災保険に加入していれば、修繕費用の自己負担を大幅に抑えることができます。
火災保険の補償内容
一般的な火災保険では、以下のような被害が補償されます。
建物の損害
- 火災による建物の焼損
- 消火活動による水濡れ
- 煙による汚損
- 構造部材の損傷
家財の損害
- 家具、家電の焼損・破損
- 衣類、寝具などの損傷
- 書籍、美術品などの損害
追加費用
- 仮住まいの費用(臨時費用)
- 残存物の撤去費用
- 修理期間中の生活費
火災保険申請の流れ
火災保険を使って修繕を行う場合の一般的な流れは以下の通りです。
火災発生後、速やかに保険会社に連絡
写真や動画で被害箇所を詳細に記録
保険会社の調査員が現地調査を実施
信頼できる業者に修繕の見積もりを依頼
審査が通れば保険金が支払われる
保険金を使って修繕工事を進める
まとめ:冬は火災リスクが最も高まる季節。今すぐ予防を

冬はちょっとした油断が大きな火災につながる季節です。しかし、日常的な小さな心がけと対策を徹底することで、多くの火災は防ぐことができます。
今日から実践できる火災予防の5つのポイントをおさらい!!
✔ ストーブ周りの”1mルール”
ストーブから1m以内には可燃物を置かない。洗濯物を近くで干さない。
✔ コンセントのホコリ掃除
定期的にコンセントのホコリを除去し、トラッキング火災を防ぐ。
✔ 暖房器具のコード点検
電気コードの断線、圧迫、過熱がないかチェックする。
✔ キッチンの火の元確認
コンロ周りの油汚れを除去し、調理中は絶対にその場を離れない。
✔ 警報器のメンテナンス
火災警報器の動作確認と電池交換を定期的に行う。
これらの対策は、特別な費用や技術は必要ありません。今日から、今すぐに始められることばかりです。
万が一の火災後は専門家に相談を

そして、万が一火災が起きてしまった場合は、建物の安全確認・修繕はプロでなければ判断できません。見た目は問題なさそうでも、構造的なダメージや目に見えない危険が潜んでいることが多いのです。
ROY株式会社では、火災後修繕から住まいの総合点検まで、一級建築士が監修して対応します。
ROY株式会社の強み:
- 一級建築士による構造診断
- 火災後の複合的な被害に総合対応
- 火災保険の申請サポート
- 地域密着で迅速な対応
- 無理な営業は一切なし
火災は「まさか自分の家が」と思っていても、誰にでも起こりうる災害です。大切な家族と住まいを守るために、今日から火災予防を始めましょう。そして、万が一のときは、信頼できる専門家に相談してください。
冬の火災、あなたの家は大丈夫ですか?
今すぐチェックして、安全な冬を過ごしましょう。
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