
台風や大雨が続いたあと、「雨は止んだのに、キッチンや浴室の排水口から下水のような臭いがする」と感じることがあります。
排水口の臭いは、汚れだけが原因とは限りません。
大雨によって排水管内の水量や空気の圧力が変わり、下水の臭いを防いでいる水が減ったり、もともとあった詰まりや接続不良が表面化したりすることがあります。
この記事では、大雨の後に排水口が臭くなる原因、自分で確認できる点検ポイント、専門業者へ依頼すべきタイミングを詳しく解説します。
2026年6月は台風と梅雨前線による大雨が発生
気象庁は2026年6月25日、台風第7号と梅雨前線の影響により、九州から関東甲信地方にかけて大雨となるおそれがあると発表しました。国土交通省も、6月24日からの大雨による被害状況を取りまとめています。
短時間に大量の雨が降ると、道路下の下水道管や住宅内の排水管へ一時的に多くの水が集まります。その影響で、排水口から「ゴボゴボ」と音がする、水が流れにくくなる、雨が止んだあとも下水臭が残るといった症状が現れることがあります。
ただし、大雨の後に臭いが出たからといって、必ず公共下水道だけに原因があるとは限りません。住宅内の排水トラップや排水管に問題がないかも確認する必要があります。
排水口から下水の臭いが上がらない仕組み

キッチン、洗面台、浴室、洗濯機などの排水口には、一般的に「排水トラップ」が設けられています。
排水トラップは、排水管の途中に水をためる仕組みです。
この水は「封水」と呼ばれ、下水道側から上がってくる臭いや害虫を室内へ通さないふたの役割をしています。
ところが、大雨による圧力の変化で封水が押し出されたり、トラップや排水管の接続部分に隙間ができたりすると、下水臭が室内へ入りやすくなります。
大雨の後だけ排水口が臭う場合は、まず封水が正常に残っているかを確認することが大切です。
大雨の後に排水口が下水臭くなる原因

1.排水管内の空気に押されて封水が減った
大雨で下水道管の水量が急激に増えると、管内にある空気が押され、住宅側の排水管へ圧力が伝わることがあります。
住宅の排水設備の構造によっては、逃げ場を失った空気がトイレや浴室などの排水口へ向かい、「ゴボゴボ」という音を発生させます。その際に、排水トラップの封水が押し出されることもあります。
雨が止んでも封水が十分に戻らなければ、排水は流れるのに下水臭だけが残ります。
2.下水道管の水量が増えて排水しにくくなった
大雨の最中は下水道管の水量が増え、家庭から流した排水が普段より流れにくくなることがあります。
排水口から音がする、水の引きが遅い、便器の水位が変わるといった症状がある場合は、下水道管内の水量や圧力の影響が考えられます。
多くは雨が弱まり、水量が減ると落ち着きます。
ただし、雨が止んだ後も流れにくい場合は、住宅側の排水管にも問題がないか点検が必要です。
3.もともとあった詰まりが表面化した
キッチンの油汚れ、浴室の髪の毛や石けんかす、洗面台のぬめりなどが排水管内にたまると、水と空気の通り道が狭くなります。
普段は問題なく流れていても、大雨による水量や圧力の変化が加わることで、臭いや異音が目立つことがあります。
特に、大雨のたびに同じ排水口が臭う場合は、一時的な気象の影響だけでなく、排水管内の詰まりも疑いましょう。
4.排水トラップに汚れがたまっている
排水トラップに髪の毛、食べかす、油、洗剤かすなどが付着すると、その汚れ自体が臭いの原因になります。
下水のような臭いだと思っていても、実際には排水口付近で腐敗した汚れが臭っている場合もあります。
また、汚れによって水の流れが悪くなると、封水が正常に保たれにくくなることがあります。
5.排水ホースや接続部分に隙間がある
キッチンや洗面台の収納内では、排水ホースが床や壁の排水管へ接続されています。
防臭ゴムがずれている、ホースが抜けかけている、接続部分が緩んでいると、その隙間から下水臭が漏れることがあります。
普段は気にならなくても、大雨によって排水管内の圧力が高まったときに臭いが強くなるケースもあります。
6.通気管や屋外の排水ますに問題がある
排水管には、水だけでなく管内の空気を逃がす働きも必要です。
通気管が詰まっている、屋外の排水ますに汚れや土砂がたまっている、排水管の流れが悪いと、空気が室内の排水口側へ戻りやすくなります。
大雨のたびに複数の排水口から音や臭いが出る場合は、屋外の排水ますや建物全体の排水経路に原因があるかもしれません。
大雨の後に確認したい点検ポイント
1.どの排水口から臭うか確認する

キッチン、洗面所、浴室、洗濯機、トイレを順番に確認します。
一か所だけ臭う場合は、その場所の排水トラップや汚れ、接続部分に問題がある可能性があります。
複数箇所で同時に臭う場合は、共通する排水管、屋外の排水ます、下水道管の水量や圧力が関係していることもあります。
臭い場所を絞ると、排水口単体の問題か、住宅全体の問題かを判断しやすくなります。
2.排水口へ少しずつ水を流す

ゴボゴボ音がした場所や、普段あまり使わない排水口へ少しずつ水を流してみましょう。
封水が減っていただけなら、水をため直すことで臭いが弱くなることがあります。
ただし、水の流れが悪い、排水口から水が上がってくる、便器の水位が大きく変わる場合は、それ以上流さず使用を控えてください。
水を流したあとに臭いが消えるかどうかが、封水切れを見分ける目安です。
3.ゴボゴボ音や流れの遅さを確認する

水を流したときに異音がする、水がたまってからゆっくり引く、別の排水口から音がするといった症状がないか確認します。
臭いだけで流れが正常なら、封水や接続部分の問題が考えられます。
一方、臭いと流れの悪さが同時に起きている場合は、排水管の詰まりや下水道側の水量増加が疑われます。
臭いと流れの悪さが同時にある場合は、早めの点検が必要です。
4.取り外せる部品だけ清掃する

排水口のごみ受け、ヘアキャッチャー、取り外し可能なトラップ部品を清掃します。
髪の毛や食べかす、ぬめりを取り除いたら、部品を正しい位置へ戻し、最後に水を流してください。
部品がずれていたり、付け忘れていたりすると、排水管から臭いが上がることがあります。構造が分からない部分は無理に分解しないようにしましょう。
清掃後は部品が正しく戻っているか確認し、封水をため直します。
5.シンク下や洗面台下を確認する

収納内にある排水ホースの周辺を見て、外れ、緩み、水漏れ、防臭ゴムのずれがないか確認します。
排水口よりも収納内のほうが臭い場合は、接続部分から下水臭が漏れている可能性があります。
ホースを強く動かすと抜けることがあるため、目視で確認する程度にとどめましょう。
隙間や水漏れがある場合は、テープで応急的にふさぐだけでは再発する可能性があります。
6.屋外の排水ます周辺を確認する

雨が止み、安全を確認してから、敷地内の排水ます周辺を目視します。
水たまり、汚水のあふれ、強い臭い、地面の沈みなどがないか確認してください。
大雨の最中や敷地が浸水している状態で、排水ますのふたを開けるのは危険です。汚水や空気が噴き出すおそれがあるため、自分で内部をのぞき込まないようにしましょう。
屋外でも臭いやあふれがある場合は、室内の清掃だけでは改善しない可能性があります。
大雨の後に避けたい対処法
臭いが気になる場合でも、状況を悪化させないため、次のような対応は避けてください。
- 流れが悪い状態で大量の水を流す
- 複数の洗浄剤を混ぜて使う
- 排水管の奥へ棒やワイヤーを無理に入れる
- 大雨や浸水中に排水ますのふたを開ける
- 接続部分の隙間をテープだけでふさぐ
- 逆流した汚水へ素手で触れる
排水口から音がする、便器の水位が上がる、流れにくいといった症状がある間は、洗濯や入浴など、大量の水を流す行動をできるだけ控えてください。
逆流のおそれがある場合は、水を入れた二重のビニール袋を「水のう」として排水口や便器に置く方法もあります。ただし、これは大雨中の一時的な対策であり、雨が止んだ後の臭いや詰まりを直す方法ではありません。
業者へ依頼すべきタイミング
次のような症状が見られる場合は、ご自身で無理に対処せずできるだけ早めに専門業者へご相談ください。
- 水を流しても下水臭が消えない
- 雨が止んでも排水の流れが悪い
- 複数の排水口から臭いがする
- ゴボゴボ音や水位の変化を繰り返す
- 汚水が逆流した
- 排水ますから水や汚水があふれている
- シンク下や床がぬれている
- 大雨のたびに同じ症状が起きる
道路上のマンホールから汚水があふれている場合や、近隣住宅でも同じ症状が出ている場合は、自治体の下水道担当部署へ連絡してください。
自宅の一か所だけ臭う場合や、敷地内の排水ます・排水管に異常がある場合は、排水設備の専門業者へ相談するのが基本です。
専門業者へ依頼するメリット
専門業者へ依頼すると、排水口だけでなく、排水トラップ、配管の接続部分、屋外の排水ます、建物全体の排水経路を確認できます。
原因を確認せず排水口だけを掃除しても、排水管の奥や屋外の排水ますに問題があれば、臭いは再発します。
特に大雨のたびに症状が出る住宅では、一時的に臭いを消すだけでなく、再発する原因を見つけることが重要です。

大雨後の下水臭は、排水口の汚れだけでなく、排水管、排水ます、床下や壁内の接続部分、建物まわりの雨水処理が関係することがあります。
住宅の総合リフォームに対応するROY株式会社では、トイレの詰まりや設備修理に加え、給水管・排水管の交換や排水管の移設にも対応しています。
たとえば、排水管の接続部分から漏水している場合は、配管の修理だけでなく、ぬれた床材や壁、下地への影響も確認しなければなりません。
また、屋外の排水ますや雨どい周辺に問題がある場合は、室内だけでなく、建物外部を含めた点検が必要です。
水道設備と建物の両方を確認できる総合リフォーム会社へ相談することで、臭いを止めるだけでなく、再発しにくい排水環境へ整えるための提案を受けられます。
雨が止んでも臭いが続く、原因が室内か屋外か分からない場合は、被害が広がる前に点検を依頼しましょう。
