関東でもクマ被害に注意|奥多摩・丹沢・秩父の出没地域と対策

目次

はじめに

クマ被害」と聞くと、北海道や東北地方をイメージする方も多いかもしれません。

しかし近年は、関東でもツキノワグマの目撃情報や人的被害が確認されており、決して他人事ではなくなっています。
特に東京都の奥多摩エリアや神奈川県の丹沢周辺、埼玉県の秩父周辺、群馬県の山間部などでは、登山道・林道・山沿いの集落などでクマと遭遇する可能性があります

春から初夏にかけては、冬眠から目覚めたクマが餌を求めて活発に行動する時期です。

この記事では、関東で報告されているクマの目撃・被害情報をもとに、出没しやすい場所や遭遇時の対策、住宅地や畑でできる予防策についてわかりやすく解説します。

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関東で注意したいクマの出没地域

関東でも、山林に近い地域ではツキノワグマの目撃情報や人的被害が確認されています。
特に東京都西部、神奈川県の丹沢周辺、埼玉県の秩父・飯能周辺などは、登山やハイキングで訪れる人も多く、クマとの遭遇に注意が必要なエリアです。
ここでは、関東で特に注意したいクマの出没地域について、都県ごとに紹介します。

東京都|奥多摩・八王子・高尾山周辺

東京というと市街地のイメージが強いかもしれませんが、東京都西部には奥多摩町・檜原村・あきる野市・青梅市・八王子市・日の出町など、ツキノワグマが生息する森林地域があります。

奥多摩町では登山者がクマに襲われ重傷

2026年5月17日、東京都奥多摩町の三ノ木戸山周辺で、登山中の男性がクマに襲われ重傷を負う人的被害が発生しました。

奥多摩町の発表によると、発生場所は奥多摩町境・小中沢林道終点から約500m先の三ノ木戸山周辺で、登山中の男性が成獣のクマ1頭と遭遇し、襲われたとされています。

町では猟友会や警察と連携し、現場周辺の警戒、追い払い、捕獲用檻の設置などを進めています。

奥多摩エリアは都心からもアクセスしやすく、登山やハイキングで人気の地域です。
しかし、山に慣れている人であっても、クマとの遭遇リスクを十分に意識する必要があります。

登山前には、自治体や警察、ビジターセンターなどが発信している最新の出没情報や登山道情報を確認しましょう。
出没情報が出ている場所や、通行自粛・迂回が案内されているルートには近づかない判断も大切です。

八王子市・高尾山周辺でもツキノワグマの出没に注意

八王子市でも、ツキノワグマの出没情報が確認されています。

八王子市の公式情報では、2026年4月29日に元八王子町二丁目で、センサーカメラにツキノワグマが撮影されました。市は警察などの関係機関と連携し、周辺地域への注意喚起や現地調査、捕獲用箱わなの設置などの対応を行っています。

また、2026年5月17日には上恩方町で、成獣1頭と幼獣1頭のツキノワグマが確認されています。
親子のクマは、子グマを守るために攻撃的になることがあるため、子グマを見かけても近づかないようにしましょう。

高尾山は観光地として多くの人が訪れる場所ですが、周辺には奥高尾・陣馬山・景信山方面へ続く山林も広がっています。
高尾ビジターセンターも、高尾山周辺では奥高尾方面を中心にツキノワグマが生息しているとして、明け方や夕方に入山する際は音を出して人の存在を知らせること、単独行動を控えることなどを呼びかけています。

神奈川県|丹沢山地・愛川町周辺

神奈川県でも、丹沢山地周辺を中心にツキノワグマの目撃情報が確認されています。

丹沢山地はツキノワグマの生息域

丹沢周辺は登山やキャンプで人気の地域ですが、ツキノワグマの生息域でもあります。

山道、林道、沢沿い、見通しの悪い場所では、クマと出会い頭に遭遇する危険性があります。
特に早朝や夕方、霧が出ている日、周囲の音が聞こえにくい沢沿いでは注意が必要です。

愛川町では南山林道周辺で目撃情報

愛川町では2026年5月12日、南山林道入口から約500m先で、体長1mほどのクマらしき動物が目撃されたと公表されています。

愛川町や清川村、山北町など丹沢周辺の地域では、登山者だけでなく、林道を通行する人や山沿いの住宅地に住む人も注意が必要です。

埼玉県|秩父・飯能・小鹿野・皆野周辺

埼玉県でも、秩父市・飯能市・小鹿野町・皆野町など、山間部を中心にツキノワグマの目撃・出没情報が確認されています。

埼玉県は、県内の山間部やその周辺ではクマやイノシシに遭遇する可能性があるとして注意を呼びかけており、最新の出没状況を確認できる「埼玉県ツキノワグマ出没マップ」も公開しています。

埼玉県でも山間部を中心に出没情報

埼玉県のツキノワグマ出没マップでは、2026年に入ってからも秩父市・小鹿野町・皆野町などで出没情報が掲載されています。

秩父・飯能周辺は自然が豊かで、山林と住宅地、観光地、登山道が近い地域もあります。
登山やハイキング、渓流釣り、キャンプ、山沿いの地域へ出かける前には、最新の出没状況を確認することが大切です。

秩父地域では登山・札所巡りでも注意

秩父地域では、登山道や林道だけでなく、札所巡りのルート周辺でも注意が必要です。

秩父札所の案内でも、秩父地域は自然豊かで山を背負った札所寺院が多く、山林にはクマやイノシシなどの野生動物が多く生息しているため、歩き巡礼の際には持鈴やクマ避けの鈴などで音を出すよう案内されています。

また、皆野町でも令和8年度の出没・目撃情報として、金沢地内、野巻地内、下田野地内などでの情報が掲載されています。

関東にいるクマは主にツキノワグマ

関東で注意すべきクマは、主に「ツキノワグマ」です。

ツキノワグマは本州や四国に生息するクマで、胸元に白い三日月形の模様があることが特徴です。
北海道に生息するヒグマと比べると体格は小さいものの、成獣になると体重が100kgを超えることもあり、非常に力の強い動物です。

ツキノワグマは基本的に臆病で、人の気配を感じると離れていくことが多いとされています。
しかし、次のような状況では攻撃的になる可能性があります。

突然近距離で遭遇した場合
子グマを連れている母グマに近づいた場合
餌を食べている最中に接近した場合
逃げ道をふさがれたと感じた場合
人里の食べ物に慣れてしまった場合

季節別に見るクマの動きと注意点

クマの出没リスクは、季節によって変わります。
ツキノワグマは一年中同じように行動しているわけではなく、冬眠明けの春、活動が活発になる夏、冬眠前に餌を探す秋、冬眠期の冬で注意点が異なります。

春|冬眠明けのクマが動き出す

春は、冬眠から目覚めたクマが餌を求めて動き出す時期です。

植物の芽や若葉などを食べながら行動範囲を広げるため、登山道や林道、沢沿いなどで遭遇する可能性があります。
ゴールデンウィーク前後から初夏にかけては、登山や山菜採りで山に入る人も増えるため注意が必要です。

特に、子グマを見かけた場合は絶対に近づいてはいけません。
近くに母グマがいる可能性があり、子どもを守るために攻撃的になることがあります。

夏|レジャー中の遭遇に注意

夏は、クマの活動量が増える時期です。

キャンプ、川遊び、渓流釣り、登山などで人が山に入る機会も増えるため、沢沿いや林道、見通しの悪い山道では注意が必要です。

また、キャンプ場では食べ残しや生ごみ、甘い飲み物の容器を放置しないことが大切です。
食べ物の匂いはクマを引き寄せる原因になります。

早朝や夕方はクマが活動しやすい時間帯とされるため、単独行動を避け、クマ鈴やラジオなど音の出るものを携帯しましょう。

秋|冬眠前の餌探しで人里に近づきやすい

秋は、クマ対策で特に注意したい季節です。

クマは冬眠に備えて脂肪を蓄えるため、ドングリ、栗、柿などの木の実や果実を多く食べます。
山の実りが少ない年には、餌を求めて人里近くまで下りてくることがあります。

特に、柿や栗の木がある住宅地、果樹園、山沿いの畑、耕作放棄地などでは注意が必要です。

秋は、庭の果実や野菜くず、生ごみ、ペットフードを屋外に放置しないようにしましょう。
一度「食べ物がある場所」と覚えたクマは、同じ場所に繰り返し現れるおそれがあります。

冬|冬眠期でも油断は禁物

冬は、一般的にクマが冬眠する時期です。そのため、春から秋に比べると出没リスクは下がります。

しかし、暖冬の年や、十分に餌を食べられなかった個体、人里の食べ物に慣れてしまった個体などは、冬でも行動する可能性があります。

冬の低山ハイキングや林道歩きでも、クマの生息域に入る場合は油断せず、出没情報を確認し、音の出るものを携帯しておくと安心です。

なぜ関東でもクマが人里近くに出没するのか

関東でもクマが人里近くに出没する背景には、自然環境や人の生活環境の変化が関係しています。

山林と住宅地の距離が近い地域がある

奥多摩、丹沢、秩父、群馬県内の山間部などでは、山林と住宅地、観光地、登山道が近接している場所があります。

クマの行動範囲と人の生活圏が重なりやすいため、山から下りてきたクマが林道や集落周辺、畑、果樹園などに現れることがあります。

特に、山沿いの住宅地や別荘地、キャンプ場周辺では注意が必要です。

食べ物を求めて行動範囲を広げることがある

クマは餌を探しながら広い範囲を移動します。

春は冬眠明けで活動量が増え、夏から秋にかけては木の実、果実、昆虫、農作物などを求めて移動します。
秋は冬眠前に栄養を蓄える時期でもあるため、山の餌が少ない年には人里近くへ出没する可能性が高まります。

生ごみ・果実・野菜くずが誘引物になる

クマは嗅覚が非常に優れており、食べ物の匂いに強く引き寄せられます。

例えば、次のようなものはクマを引き寄せる原因になります。

  • 生ごみ
  • 放置された果実
  • 収穫されずに残った柿や栗
  • 野菜くず
  • ペットフード
  • 家畜の飼料
  • 養蜂場の蜂蜜

一度「ここに食べ物がある」と覚えたクマは、同じ場所に繰り返し現れることがあります。
山沿いの住宅や畑では、クマを引き寄せるものを屋外に放置しないことが大切です。

クマが出没しやすい場所

クマは山奥だけでなく、人の生活圏に近い場所にも現れることがあります。
特に、次のような場所では注意が必要です。

  • 登山道
  • 林道
  • キャンプ場周辺
  • 渓流・沢沿い
  • 見通しの悪い藪
  • 山沿いの畑
  • 果樹がある住宅地
  • 草木が茂った空き地
  • 耕作放棄地
  • 養蜂場
  • 果樹園

沢沿いや藪の多い場所では、風や水の音で人の気配が伝わりにくく、出会い頭にクマと鉢合わせるリスクがあります。

また、耕作放棄地や草木が伸びた空き地は、クマを含む野生動物の隠れ場所になりやすい場所です。
住宅地に近い場所でも、見通しが悪い環境では注意しましょう。

クマと遭遇しないためにできる対策

クマ対策で最も重要なのは、「遭遇しないこと」です。
山へ入る前には、事前準備をしっかり行いましょう。

山に入る前に出没情報を確認する

登山やキャンプ、山菜採りなどで山へ入る前には、自治体、警察、ビジターセンター、観光協会などが発信しているクマの出没情報を確認しましょう。

目撃情報が多い場所や、人的被害が発生した場所には、無理に入らない判断も必要です。

単独行動を避ける

登山やハイキングでは、できるだけ複数人で行動しましょう。

複数人で会話しながら歩くことで、人の存在をクマに知らせやすくなります。
単独行動の場合、クマに気づかれにくいだけでなく、万が一の事故時に助けを呼びにくいリスクもあります。

鈴・ラジオ・笛など音の出るものを携帯する

クマ鈴、ラジオ、笛などを使い、人の存在を知らせることも有効です。

ただし、クマ鈴を持っていれば絶対に安全というわけではありません。
沢沿い、風が強い場所、雨の日、霧の日などは音が届きにくい場合もあります。

音の出る道具はあくまで対策の一つと考え、出没情報の確認、複数人での行動、見通しの悪い場所を避けるなど、複数の対策を組み合わせることが大切です。

朝夕や霧の日の行動を避ける

クマは早朝や夕方に活発に行動する傾向があります。

また、霧が出ている日は見通しが悪く、クマとの距離に気づきにくくなります。
人の気配も伝わりにくくなるため、突然遭遇する危険性が高まります。

可能であれば、早朝・夕方・視界の悪い時間帯の入山は避けましょう。

食べ物の匂いを残さない

キャンプや登山では、食べ物の匂いにも注意が必要です。

生ごみ、食べ残し、使用済みの食器、甘い飲み物の容器などを放置すると、クマを引き寄せる原因になります。

食べ物やごみは密閉できる袋や容器に入れ、決められた方法で持ち帰るようにしましょう。

クマを見かけたときは公的機関へ連絡を

クマを見かけた場合、自分で捕獲したり追い払ったりするのは危険です。
まずは安全な場所へ移動し、自治体や警察へ連絡しましょう。

連絡する際は、次の内容を伝えるとスムーズです。

  • 見かけた場所
  • 日時
  • 頭数や大きさ
  • 移動方向
  • けが人や被害の有無
  • 足跡やフンなどの痕跡

登山道やキャンプ場で見かけた場合は、施設管理者やビジターセンターにも共有すると周囲の安全確保につながります。

クマ以外の野生動物にも注意

関東の山間部や住宅地周辺では、クマ以外にもアライグマ、ハクビシン、イタチ、ネズミなどの被害が発生することがあります。

天井裏の足音、フン、異臭、断熱材の荒れ、天井のシミなどがある場合は、野生動物が住宅に侵入している可能性があります。

クマとは対応が異なりますが、小動物でも糞尿被害やノミ・ダニの発生につながることがあります。
無理に近づかず、状況に応じて自治体や専門業者へ相談しましょう。

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「害獣害虫の記事を見た」とお伝えいただけるとスムーズです。

よくある質問(FAQ)

クマはどの季節に出没しやすいですか?

ツキノワグマは春から秋にかけて活動が活発になります。
春は冬眠明けで餌を探し始め、夏は行動量が増えます。
秋は冬眠前に栄養を蓄えるため、木の実や果実を求めて人里近くに出没することがあります。

特に登山やキャンプ、山菜採り、果樹の収穫時期などは、人とクマの行動範囲が重なりやすいため注意が必要です。

子グマを見かけた場合はどうすればいいですか?

子グマを見かけても、絶対に近づかないでください。

近くには母グマがいる可能性が高く、子グマを守るために攻撃的になることがあります。
写真や動画を撮ろうとして近づく行為も非常に危険です。

子グマを見つけた場合は、静かにその場を離れ、安全な場所へ移動しましょう。

住宅地でクマを見かけたらどうすればいいですか?

住宅地や道路、畑の近くでクマを見かけた場合は、自分で追い払おうとせず、まず安全な場所へ避難してください。

そのうえで、目撃した場所、時間、頭数、移動方向などを確認できる範囲で記録し、自治体や警察へ連絡しましょう。

近づいて写真を撮る、車から降りて確認する、大声で追い払うといった行動は危険です。

まとめ|関東でもクマ被害を想定した行動が必要

クマは山奥だけにいる動物ではありません。
登山道や林道だけでなく、山沿いの住宅地、畑、果樹園、キャンプ場周辺など、人の生活圏に近い場所に現れることもあります。

山へ入る際は、自治体や警察などが発信する最新の出没情報を確認し、危険が予想される場所には近づかないようにしましょう。

クマを見かけた場合は、自分で追い払おうとせず、安全な場所へ避難したうえで自治体や警察へ連絡してください。

関東でもクマ被害を想定した行動を取ることが、自分自身や家族、地域の安全を守ることにつながります。

山田 太郎

この記事の作成者

鈴木 海斗

害虫害獣駆除センター 研究員

害虫・害獣の生態や効果的な忌避方法を専門に研究する害虫害獣駆除センターの研究員です。 本記事では、自社試験調査の結果や国内外の学術論文に基づくデータをもとに、 信頼性の高い情報をお届けしています。

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