
はじめに

冬になると、リビングは暖かいのに脱衣所へ行くと一気に寒くなる

お風呂に入る前に服を脱ぐのがつらい
などと感じることはありませんか?
こうした家の中の急な温度差は、単に寒くて不快というだけではありません。
特に冬の入浴時は、体への負担が大きくなる「ヒートショック」に注意が必要です。
そこで考えたい対策のひとつが、二重窓による窓の断熱です。
この記事では、ヒートショックとは何か、お風呂場ではどのような事故につながる可能性があるのかを確認したうえで、二重窓によって家の中の温度差をどのようにやわらげられるのかを住宅の視点から解説します。

ヒートショックとは?冬のお風呂場で注意したい急な温度変化

ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ移動するなど、
急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に負担がかかることを一般に指します。
特に注意したいのが冬場の入浴です。
例えば、暖房の効いたリビングから寒い脱衣所へ移動すると、寒さによって血管が縮まり、血圧が上がりやすくなります。
その後、温かい浴槽に入ると今度は血管が広がり、血圧が下がりやすくなります。
冬の入浴でおきる急激な温度変化
暖かいリビング
暖房で体が温まっている状態
寒い廊下
血管が収縮しはじめる
寒い脱衣所
血圧が上がりやすい
寒い浴室
最も血圧が変動しやすい要注意ポイント
温かい浴槽
血管が急に広がり血圧が下がる
上記のように、冬場は短時間で何度も温度環境が変化することになります。
お風呂場では実際に事故も起きている
浴槽内での溺死・溺水による死亡者数
2024年
7,776人
※ この人数すべてが「ヒートショック」による死亡というわけではありません。冬場の急激な血圧変動や、長時間の入浴による体温上昇での意識障害なども要因として挙げられています。
出典:消費者庁公表資料(厚生労働省「人口動態統計」令和6年)
冬場の入浴では、寒暖差による体への負担に注意が必要です。
消費者庁が公表している厚生労働省の「人口動態統計(令和6年)」によると、
2024年に「浴槽内での及び浴槽への転落による溺死及び溺水」で亡くなった人は7,776人でした。
そのうち65歳以上は7,363人で、約95%を占めています。
ただし、この7,776人すべてが「ヒートショックによって亡くなった」という意味ではありません。
入浴中の事故にはさまざまな原因がありますが、消費者庁は冬場に浴室で溺水事故が起こる要因として、暖かい室内と寒い脱衣所・浴室との温度差などによる急激な血圧変動や、熱い湯に長時間つかることによる体温上昇での意識障害などを挙げています。
そのため、入浴方法に気をつけるだけでなく、脱衣所や浴室を暖めるなど、家の中の急激な温度差をできるだけ小さくすることも大切です。
ヒートショック対策で大切なのは「お風呂」だけではない

ヒートショック対策というと、浴槽のお湯の温度だけを気にしてしまいがちです。
しかし、注意したいのは入浴するまでに通る場所も含めた温度差です。
暖房されたリビングが20℃前後でも、廊下や脱衣所、浴室が大きく冷え込んでいれば、部屋を移動するたびに体は温度変化を受けます。
まずはリビング、脱衣所、浴室などに温度計を置き、普段どれくらい差があるのか調べてみるのもよいでしょう。
なぜ二重窓がヒートショック対策につながるの?

家の中が寒くなる原因は、窓だけではありません。
壁・床・天井・玄関などさまざまな部分から熱は出入りしますが、そのなかでも外気の影響を受けやすい場所のひとつが窓です。
冬の窓は部屋を冷やす原因になりやすい
冬は外気によって窓ガラスやサッシが冷えます。
窓の近くに立ったときに「スーッと冷たい感じがする」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
特に脱衣所やトイレのような小さな空間は、リビングのように長時間暖房していないことも多く、窓から受ける外気の影響が室温に表れやすくなります。
そこで選択肢になるのが、既存の窓の室内側にもう1枚窓を取り付ける「二重窓(内窓)」です。
二重窓は外の寒さを室内へ伝えにくくする
二重窓では、今ある窓と内窓の間に空気の層ができます。
この空気層によって外気の影響を受けにくくなり、室内で暖めた熱も外へ逃げにくくなります。
例えば入浴前に脱衣所を暖房しても、窓の断熱性が低ければ熱が逃げやすくなります。
二重窓によって窓の断熱性を高めることで、暖めた室内の温度を保ちやすくする効果が期待できます。
ただし、二重窓は暖房器具ではありません。
「二重窓を付ければヒートショックを防げる」と考えるのではなく、
住宅内の温度差をやわらげるための対策のひとつとして取り入れることが大切です。
二重窓そのものの仕組みや断熱・結露・防音などの効果については、
ROY株式会社の「二重窓は本当に意味ある?効果が出る家・出にくい家を分かりやすく解説」で詳しく紹介しています。

二重窓だけではヒートショック対策が十分でないことも

二重窓を設置したからといって、家の中の寒さがすべて解消されるとは限りません。
重要なのは、どこから冷えているのかを見極めることです。
窓以外で対策が必要な場合
- 窓から離れていても床が冷たい
- 壁そのものが冷えている
- 廊下や玄関から冷気が入ってくる
- 天井や床の断熱性が低い
- 脱衣所に暖房設備がない
といった住宅では、窓以外の対策も必要になる場合があります。
また、二重窓そのものが部屋を暖めるわけではないため、脱衣所や浴室の暖房と組み合わせることも大切です。
消費者庁では、入浴前に脱衣所や浴室を暖めるほか、湯温や入浴時間にも注意するよう呼びかけています。
断熱+暖房+安全な入浴方法を組み合わせて、急激な温度変化をできるだけ減らしていきましょう。
二重窓を専門業者へ相談したいタイミング
特におすすめしたいのは、真冬になる前の秋から初冬に住宅の寒さを確認しておくことです。
12月や1月になって初めて対策を考えるよりも、朝晩の冷え込みが始まった段階で室温を測れば、寒さの原因を見つけやすくなります。
また、ヒートショックは北海道や東北などの寒冷地だけを意識すればよい問題ではありません。
関東・東海・関西など比較的温暖な地域でも、暖房しているリビングと暖房していない廊下・脱衣所との温度差が大きくなる住宅はあります。
地域だけで判断せず、実際の自宅の室温差を確認することが重要です。
2026年は二重窓の補助制度も確認
2026年9月現在、窓の断熱改修を支援する「先進的窓リノベ2026事業」が実施されています。
一定の性能基準を満たす二重窓(内窓)の設置も対象となっており、住宅では1戸あたり最大100万円の補助上限が設定されています。
ただし、対象製品や施工条件などが決められているほか、予算上限に達すると申請受付が終了します。
制度の詳しい内容については、下記の記事で詳しく紹介しています。

よくある質問(FAQ)
-
二重窓を付ければヒートショックを防げますか?
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二重窓だけでヒートショックを完全に防ぐことはできません。
二重窓は窓の断熱性を高め、住宅内の温度差を小さくするための対策のひとつです。脱衣所・浴室の暖房や入浴方法の見直しなどと組み合わせることが大切です。
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ヒートショック対策なら脱衣所と浴室、どちらを優先すればいいですか?
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一律に決めるのではなく、実際にどちらが冷えているのか確認しましょう。
脱衣所は服を脱ぐため寒さを感じやすく、優先度が高い場所です。一方、浴室に大きな窓があり、そこから強い冷気を感じる住宅では浴室窓の対策も検討したいところです。
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脱衣所に暖房を置けば二重窓は必要ありませんか?
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暖房だけで十分な住宅もあれば、窓から熱が逃げやすく、暖房を使用しても室温を保ちにくい住宅もあります。
「暖房か二重窓か」の二択ではなく、住宅の断熱状態を確認して必要な対策を組み合わせることが大切です。
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ヒートショック対策はいつ頃から始めればいいですか?
-
冬本番を迎える前がおすすめです。
秋から初冬にリビング・脱衣所・浴室などの温度を測り、差が大きい場合は窓や断熱の状態を確認しておくと、寒さが厳しくなる前に対策を検討できます。
まとめ|ヒートショック対策は家の中の温度差を見直すことから
冬の入浴では、暖かいリビングから寒い廊下・脱衣所・浴室へ移動し、さらに温かい浴槽へ入ることで、短時間に大きな温度変化を受けます。
ヒートショック対策で大切なのは、浴槽のお湯だけではなく、
家の中の温度差そのものをできるだけ小さくすることです。
二重窓は、そのための対策のひとつです。
特に脱衣所・浴室・トイレなど、冬になると冷え込みやすい場所に窓がある場合は、一度状態を確認してみましょう。
ただし、住宅の寒さは窓だけが原因とは限りません。床・壁・天井・玄関など複数の場所が関係しているケースもあります。
寒さの原因を正しく確認し、その住宅に合った方法を選ぶことが重要です。

「二重窓だけでいい?」「家全体の断熱も必要?」と迷ったときもROY株式会社へ。
確かな経験と知識を持つスタッフが住まい全体を確認し、ご家庭に合った対策をご提案します。
