
大雨が降ったあと、エアコンの室内機から突然水が垂れてきた経験はありませんか。

「エアコンが故障したのではないか、雨水が室内に入ってきているのか、このまま使い続けても大丈夫なのか」
このように不安になる方も多いでしょう。
エアコンから水が垂れる原因としてよく知られているのが、結露水を屋外へ排出するドレンホースの詰まりや排水不良です。
しかし、大雨のときや大雨の直後だけ水が垂れるのであれば、エアコン内部だけではなく、配管が外壁を通っている部分から雨水が侵入している可能性もあります。
そのため、単純にエアコンクリーニングをしたりドレンホースを掃除したりするだけでは、再発するケースもあります。
この記事では住宅の総合リフォームを行うROY株式会社が詳しく解説します。
- 大雨後にエアコンから水が垂れる主な原因
- エアコンの結露水と雨漏りの見分け方
- 放置することで考えられる危険性
- 自分で確認できるポイント
- 業者が行う点検・補修
- リフォームが必要になるケース
「雨が強い日にだけエアコン周辺が濡れる」という場合は、ぜひ確認してみてください。
大雨の後にエアコンから水が垂れる主な原因
大雨後の水漏れでは、大きく分けて「エアコンから発生した水が排出できていないケース」と「屋外の雨水が建物内部へ侵入しているケース」があります。
1.ドレンホースが詰まっている


まず考えられるのが、ドレンホースの詰まりです。
冷房や除湿運転をすると、エアコン内部の熱交換器で結露水が発生します。
通常はこの水がドレンパンに集まり、ドレンホースを通って屋外へ排出されます。
ところが、
- ホコリ
- 汚れ
- 虫
- ゴミ
- 泥
- ドレンホース内部の付着物などによって排水経路が詰まると、結露水を屋外へ排出できなくなることがあります。
行き場を失った水がドレンパンからあふれ、室内機の吹出口や下部から垂れてくるという仕組みです。
Panasonicや三菱電機も、室内機から水が漏れる場合には、ドレンホースの詰まりや折れ、持ち上がりなどによる排水不良を確認するよう案内しています。



特に大雨や強風のあとには、屋外にあるホースの周辺へ落ち葉や泥などが集まっていないか確認しておきましょう。
2.ドレンホースの勾配や設置状態に問題がある


ドレンホースは、水が自然に屋外へ流れるように適切な勾配をつけて施工する必要があります。
しかし、
- ホースが途中でたるんでいる
- ホースが折れている
- 先端が持ち上がっている
- 室内機が適切に取り付けられていないといった状態になると、水が途中にたまってしまいます。
三菱電機も、ドレンホースにたるみや詰まりがある場合や室内機が傾いている場合には水が流れず、室内機からの水漏れにつながる可能性があるとしています。
普段は何とか排水できていても、梅雨や大雨時のように湿度が高く、エアコン内部で発生する結露水が増えると、それまで表面化していなかった排水不良が水漏れとして現れることがあります。
つまり、「大雨が直接入ってきた」のではなく、大雨の日の高湿度をきっかけに既存の排水不良が表面化したケースもあるのです。
3.大雨・強風によってドレン排水が影響を受けている


台風や発達した低気圧を伴う大雨では、雨だけでなく強い風が吹くことがあります。
ドレンホースの先端へ強風が当たると、外気がホースの内部へ入り込む場合があります。
換気扇の使用時や強風時にはドレンホースから屋外の空気が流入し、ドレン水がスムーズに流れにくくなって「ポコポコ」という音が発生することがあるとされています。
大雨の日に、「ポコポコと音がする」「普段は問題ないのに台風の日だけ水が垂れる」という症状がある場合は、ドレンホースの設置状態も確認したいところです。
必要に応じて、ホースの向きの調整や排水経路の見直し、逆流防止部品などを検討します。
4.エアコンの配管穴から雨水が侵入している


大雨のあとだけエアコン周辺から水が出る場合に、特に注意したい原因です。
一般的な壁掛けエアコンでは、
- 冷媒配管
- ドレンホース
- 電線などを室内から屋外へ通すため、外壁に穴を設けています。
この配管貫通部は、本来、外から雨水が入らないよう適切な勾配と防水処理を行います。
国土交通省も外壁貫通部について、屋外側へ下り勾配を設け、シーリング材などによって雨水の侵入を防ぐことを施工上のポイントとして示しています。
ところが、
- 配管穴周囲のシーリングが劣化している
- パテがひび割れている
- 配管穴周辺に隙間ができている
- 貫通部の勾配が適切ではない
- 防水処理そのものが不十分といった状態になると、横殴りの雨が外壁へ当たった際に雨水が侵入することがあります。
侵入した水が配管を伝い室内機の裏や壁との隙間から出てくると、一見すると「エアコンから水漏れしている」ように見えます。



この場合、ドレンホースを掃除しても根本的な解決にはなりません。
5.外壁そのものから雨水が侵入している


もう一つ見落としやすいのが、エアコンではなく外壁側に原因があるケースです。
エアコンの近くに、
- 外壁のひび割れ
- シーリングの劣化
- 外壁材の隙間
- 窓や開口部周辺の防水不良などがあると、大雨や強風によって雨水が建物内部へ入り込むことがあります。
その雨水が壁の内部を移動し、たまたまエアコンの配管穴や室内機付近から出てくることもあります。
この場合は、実際の雨水侵入口と室内で水が出ている場所が一致するとは限りません。



「エアコンの下から水が出ている=エアコンが原因」と決めつけないことが重要です。
エアコンの水漏れか雨漏りかを見分けるポイント
大雨後の水漏れでは、まず発生条件を確認してみてください。
冷房・除湿運転中に水が垂れる
冷房や除湿を長時間使用したときに水が出る場合は、
・ドレンホースの詰まり
・ドレンパンの汚れ
・排水経路の不具合
・高湿度による大量の結露など、エアコン側の問題が疑われます。
エアコンを止めていても大雨のときに水が出る
エアコンを運転していないにもかかわらず、大雨のときだけ室内機周辺や壁が濡れるのであれば、雨水侵入の可能性が高くなります。
配管貫通部や外壁の防水状態を確認する必要があります。
室内機と壁の間から水が出ている
吹出口ではなく、
・室内機の背面
・室内機と壁の境目
・配管カバー付近
・壁紙などが濡れている場合も、建物側からの雨水侵入を疑うポイントです。
もちろんドレンホースとの接続部分に問題があるケースもあるため、最終的には点検による切り分けが必要です。
大雨後のエアコンの水漏れを放置する危険性


少量だからと、そのまま使い続けるのはおすすめできません。
壁紙や石膏ボードが傷む
エアコン周辺から水が繰り返し侵入すると、クロスだけでなくその裏にある石膏ボードや下地まで水分を含んでしまうことがあります。
壁紙の、
- 変色
- 浮き
- 剥がれ
- 膨れなどが見られる場合は、すでに壁内部へ水が回っている可能性もあります。
カビや腐食につながる
壁内部に水分が残り続けると、乾燥しにくくなります。
その結果、カビの発生や木材の劣化につながる可能性があります。
表面だけ乾いていても内部に水分が残っているケースがあるため、何度も同じ場所が濡れる場合は原因調査が必要です。
エアコン本体の故障につながる
室内機には電気部品が使用されています。
そのため、水漏れが発生している状態で無理に運転を続けるのは避けましょう。
NITE(製品評価技術基盤機構)も、エアコンの点検時に室内機からの水漏れなどの異常が確認された場合には使用を中止し、専門業者へ点検を依頼するよう注意喚起しています。
水が垂れてきたら最初に行いたいこと
まずエアコンの運転を止めます。水が電源部分やコンセント周辺まで達している場合は、無理に触らないようにしてください。
そのうえで、
①水が出ている位置を確認する
②タオルや容器で床や壁を養生する
③ドレンホースの先端がふさがれていないか見る
④ホースが折れたり持ち上がったりしていないか確認する
⑤大雨のときだけ症状が出るのか記録するといった確認を行います。
業者ではどのような点検・改善を行う?
大雨後のエアコン水漏れでは、原因によって対応方法が異なります。
- ドレンホース・排水経路の点検
- ドレンホースの詰まりや勾配、ドレンパン周辺などを確認し、必要に応じて清掃や排水経路の修正を行います。


- 配管貫通部の防水補修
- 配管穴周辺のパテやシーリングが劣化している場合は、一度状態を確認したうえで適切に防水処理を行います。
単純に表面へシーリング材を追加するだけでは、内部へ入った水の経路を塞ぎ切れないケースもあります。


- 外壁の補修
- 外壁のひび割れやシーリングの劣化が原因であれば、
・クラック補修
・シーリング打ち替え
・外壁部分補修
・必要に応じた外壁塗装などを検討します。
ここで重要なのは、水が出てきた場所だけを塞がないことです。
実際に雨水が入っている場所を特定し、その侵入口を補修しなければ再発する可能性があります。


ROY株式会社だからこそ確認できる「エアコン+建物」の視点


大雨後のエアコン水漏れで難しいのは、原因が必ずしもエアコンだけにあるとは限らないことです。
エアコン業者に相談するとエアコン内部やドレンホースを中心に確認し、外壁業者に相談すると外壁を中心に確認するのが一般的です。
しかし実際には、
エアコン → 配管 → 外壁貫通部 → 防水層 → 外壁と複数の部分が関係しているケースがあります。
総合リフォームを行うROY株式会社では、エアコン周辺だけでなく、
・外壁の状態
・配管貫通部
・シーリング
・雨水の侵入経路
・壁内部への影響
・必要に応じた内装補修まで、住まい全体から原因を考えることができます。
たとえば、ドレンホースを清掃して一度水漏れが止まったとしても、次の大雨で再び同じ場所が濡れるのであれば、別の原因が残っている可能性があります。
「水を止める」だけではなく、「なぜ大雨のときだけ水が出るのか」を確認することが再発防止につながります。
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Q&A



大雨のあとに一度だけ水が垂れました。様子を見ても大丈夫?



一度だけであっても、水漏れが発生した場所は確認しておきましょう。
単純な結露であれば再発しないこともありますが、配管貫通部や外壁の防水不良の場合、次の大雨で再発する可能性があります。



ドレンホースを掃除すれば直りますか?



ドレンホースの詰まりが原因であれば改善する可能性があります。
ただし、大雨時だけ症状が出る場合や室内機の背面から水が出る場合は、配管貫通部など別の原因も考えられます。



エアコンを使っていないのに水が出るのはなぜ?



エアコン停止中であれば、冷房運転による結露水ではない可能性があります。
特に雨天時だけ発生するのであれば、外壁や配管貫通部から雨水が侵入していないか確認する必要があります。



エアコン業者とリフォーム会社、どちらに相談すればいい?



冷房使用時だけ室内機の吹出口から水が垂れるのであれば、まずエアコンやドレン排水の点検が中心になります。
一方、
・大雨のときだけ発生する
・エアコン停止中にも濡れる
・壁や配管穴周辺から水が出る
・外壁にも劣化が見られるといった場合は、建物側まで確認できる業者へ相談したほうが原因を切り分けやすくなります。



