
家の中で1cmほどの大きなアリを見つけると、「住宅の木材を食べているのではないか」「シロアリではないか」と不安になる方もいるでしょう。
大きな黒いアリとしてよく見られるのは、クロオオアリやムネアカオオアリなどです。屋外から餌や水を求めて一時的に入ってきただけの場合もありますが、何度も同じ場所から現れる場合は、住宅の近くや壁の内部、傷んだ木部などに巣がある可能性も考えられます。
この記事では、家の中に大きなアリが入ってくる理由、発生しやすい場所、放置するリスク、自分でできる駆除方法を詳しく解説します。
家の中で見かける大きなアリの正体
アリは種類によって大きさや巣を作る場所が異なります。体が大きいという理由だけで種類を判断することはできませんが、見た目や発生場所からある程度の目安をつけられます。
| 特徴 | 考えられるアリ | 主な巣の場所 |
|---|---|---|
| 全身が黒く、体長が1cm前後 | クロオオアリ | 庭、土の中、建物沿いの地面 |
| 頭と脚が黒く、胸部が赤褐色 | ムネアカオオアリ | 朽木、立ち枯れた木、木の根元 |
| 羽があり、腰が細くくびれている | クロアリの羽アリ | 地中、木の中など種類による |
| 触角が数珠状で、腰にくびれがない | シロアリの羽アリ | 床下、柱、壁内など |
クロオオアリは日本で見られる大型のアリで、庭や公園などの地面に巣を作ります。住宅の中に巣を作っているとは限らず、餌を探して屋外から入ってくることも少なくありません。
ムネアカオオアリは、胸部が赤褐色をしている大型のアリです。朽木や傷んだ木の内部を利用して巣を作るため、家の中で繰り返し見つかる場合は、庭の切り株やウッドデッキ、雨水で傷んだ木部なども確認する必要があります。
大きなアリとシロアリの違い
大きな羽アリを見て、シロアリではないかと心配になることがあります。
一般的なアリとシロアリは、主に次の部分で見分けられます。

【一般的なアリ】
・触角が「く」の字に曲がっている
・腰が細くくびれている
・前の羽が後ろの羽より大きい
・黒や黒褐色、赤褐色など種類によって色が異なる
【シロアリ】
・触角が数珠のような形をしている
・腰にくびれがなく、全体的に寸胴
・4枚の羽がほぼ同じ大きさ
・羽が取れやすく、床に大量に落ちていることがある
写真だけでは判断が難しい場合もあります。羽アリが大量に出た、窓際に羽がまとまって落ちている、床下や木材に異常がある場合は、自己判断せず専門業者へ確認を依頼しましょう。
家の中に大きなアリが侵入する理由

1.食べ物を探している
アリは砂糖や菓子だけでなく、肉、魚、ペットフード、昆虫の死骸なども餌にします。
食べこぼしや生ゴミが残っていると、働きアリが臭いをたどって侵入することがあります。一匹が餌を見つけると、仲間が同じ経路を通ってくる場合もあります。
2.水分を求めている
気温が高い時期や乾燥した日には、水分を求めてキッチン、洗面所、浴室などへ入ることがあります。
蛇口まわりの水滴、結露、植木鉢の受け皿、ペットの水入れなどもアリを引き寄せる原因になります。
3.住宅周辺に巣がある
庭、玄関脇、基礎沿い、石の下、植木鉢、切り株などに巣があると、働きアリが住宅内まで餌を探しに来ることがあります。
同じ窓や壁の隙間から繰り返し入ってくる場合は、住宅のすぐ近くに巣がある可能性があります。
4.窓や配管まわりに隙間がある
アリは、窓サッシの隙間、玄関ドアの下、外壁のひび割れ、配管やエアコンホースの貫通部分などから侵入します。
大きなアリでも、頭が通る程度の小さな隙間があれば室内へ入ることがあります。
5.雨や庭の作業で巣の環境が変わった
大雨で巣に水が入ったり、植木鉢や庭石を動かしたりすると、アリが一時的に移動することがあります。
雨の後や庭の手入れ後に突然見かけた場合は、屋外の巣から逃げてきた可能性も考えられます。
6.羽アリや女王アリが新しい巣を探している
春から夏にかけては、羽を持つオスと新しい女王アリが巣から飛び立つ時期があります。
交尾後の女王アリは羽を落とし、土の隙間や木の中など、新しく巣を作れる場所を探します。大きなアリが一匹だけ室内にいた場合は、新しい巣を探して迷い込んだ女王アリの可能性もあります。
大きなアリが発生しやすい場所
キッチンや食品庫

砂糖や菓子、パン、油汚れ、生ゴミ、ペットフードなどは、アリの餌になることがあります。
目につく場所だけでなく、食品庫や収納の奥、冷蔵庫の下など、食べこぼしや汚れがたまりやすい場所も確認しましょう。
洗面所や浴室

洗面所や浴室は、水滴や結露が残りやすいため、アリが水分を求めて集まることがあります。
洗面台の周辺や浴室の床だけでなく、配管が壁や床を通っている部分に隙間がないかも確認しましょう。こうした配管まわりの隙間は、アリの侵入経路になる場合があります。
窓サッシや玄関

窓サッシや玄関は屋外とつながっているため、アリが室内へ入り込みやすい場所です。
サッシのわずかな隙間や網戸のずれ、玄関ドアの下に空間がないか確認しましょう。特に、同じ場所で繰り返しアリを見かける場合は、侵入経路になっている可能性があります。
壁際や巾木の隙間

壁際や巾木の周辺でアリを見かける場合は、壁の内部や床下を移動してきた可能性があります。
巾木と床の境目や、床材の継ぎ目に小さな隙間があると、そこから室内へ出てくることがあるため、同じ場所で繰り返し現れないか確認しましょう。
庭の切り株や枯れ木

ムネアカオオアリなど、一部の大きなアリは、傷んだ木や空洞のある木材内部を巣として利用することがあります。庭の切り株や枯れ木、古い木材、ウッドデッキなどにアリが出入りしていないか確認しましょう。
植木鉢やプランター

植木鉢やプランターの下は湿気がこもりやすく、外敵からも身を隠しやすいため、アリが巣を作ることがあります。鉢の底や受け皿の周辺にアリが出入りしていないか確認しましょう。屋外に置いていた鉢を室内へ移す際は、土や鉢底にアリが潜んでいないか確かめることも大切です。
大きなアリを放置すると起こるリスク

室内への侵入が繰り返される
目の前のアリだけを退治しても、巣が残っていれば別の働きアリが入ってきます。
餌の場所まで通り道ができると、見かける数が徐々に増えることもあります。
食品や調理スペースを歩き回る
アリが食品、食器、調理台などを歩き回ると、衛生面で不快な状態になります。
開封した食品だけでなく、密閉が不十分な砂糖袋、菓子箱、ペットフードなどにも入り込むことがあります。
咬まれたり刺されたりする可能性がある
多くのアリは人へ積極的に攻撃するわけではありませんが、種類や状況によっては咬んだり刺したりすることがあります。
素手でつかむ、巣を壊す、アリを追い詰めるといった行動は避けましょう。
傷んだ木部に巣を作られることがある
大きなアリがいるからといって、必ず住宅の木材を食べているわけではありません。
ただし、朽木を利用する種類が、雨漏りや結露によって傷んだ木部、壁内の空洞などを巣として利用する可能性はあります。
室内から何匹も現れる場合は、アリの駆除だけでなく、木材の腐朽や水漏れがないかも確認することが大切です。
シロアリ被害の発見が遅れる
「黒いアリだから問題ない」と判断していると、別の場所で発生しているシロアリ被害を見逃すことがあります。
羽アリの種類が分からない場合は、個体や羽を処分する前に写真を撮り、専門家へ確認してもらいましょう。

自分でできる大きなアリの駆除方法
駆除する前に、アリの全身が分かる写真を撮影します。
体長、色、羽の有無、見つけた場所、時間帯、匹数も記録しておくと、種類や侵入経路を判断しやすくなります。
食品は密閉容器へ移し、食べこぼし、生ゴミ、油汚れを清掃します。
ペットフードは出したままにせず、水入れの周辺もこまめに拭き取りましょう。
すぐにすべてのアリを退治する前に、どこから来てどこへ戻っているかを確認します。
壁の隙間、窓、玄関、配管まわりなど、出入りしている場所を写真に残してください。
アリが歩いた場所には、仲間が経路をたどるための物質が残ることがあります。
食器用の中性洗剤を薄めた水などで床や巾木を拭き、最後に水拭きして乾燥させましょう。
一般的なアリだと確認できた場合は、通り道や侵入口の近くへアリ用の毒餌を設置します。
働きアリが薬剤を巣へ持ち帰るため、目の前の個体だけに殺虫スプレーを使うよりも、巣全体へ効果を広げられる場合があります。
ただし、毒餌の近くへ殺虫スプレーを使用すると、アリが近づかなくなることがあります。製品の表示を守り、子どもやペットが触れない場所へ設置してください。
アリの数が減り、侵入経路を確認できたら、窓まわり、配管穴、外壁のひび割れなどを補修します。
巣や通り道を確認しないまま隙間だけをふさぐと、別の場所から出てくることもあるため、駆除と侵入防止を順番に行うことが重要です。
ーやってはいけない駆除方法ー
・目に見えるアリだけを毎回スプレーする
その場にいる個体は退治できますが、巣にいる女王アリや幼虫には届きません。侵入が繰り返される原因になります。
・壁や床の隙間へ大量の薬剤を入れる
壁内の配線や建材を傷めたり、室内へ薬剤が漏れたりするおそれがあります。
巣の位置が分からない状態で、隙間へ大量に薬剤を注入するのは避けましょう。
・熱湯をかける
床、壁、木材、植木などを傷める可能性があります。狭い隙間へ熱湯を流すと、やけどや漏水の原因にもなります。
・すぐに侵入口をふさぐ
住宅内部に巣がある場合、出口を失ったアリが別の部屋へ移動する可能性があります。先に発生源と通り道を確認しましょう。
・種類が分からない集団や巣を刺激する
赤褐色のアリが多数集まっている、巣を刺激すると集団で向かってくるなど、ヒアリ類が疑われる状況では触らないでください。
専門業者へ依頼すべきタイミング
次のような状態が見られる場合は、ご自身での対処だけで済ませず、専門業者へ相談しましょう。
・毎日のように大きなアリが出る
・壁、天井、床の隙間から出てくる
・羽アリが室内で大量に発生した
・木くずのような粉が落ちている
・雨漏りや水漏れ、木材の腐食がある
・咬まれた、刺された
・小さな子どもやペットがいる
アリの巣は、庭の土中、木の内部、床下、壁内など、目視できない場所にあることもあります。
特に住宅内から繰り返し現れる場合は、侵入口だけでなく、巣の位置や建物の傷みまで確認する必要があります。

家の中に大きなアリが出た場合は、屋外から一時的に入り込んだのか、住宅の近くや建物内部に巣があるのかを見極めることが大切です。
ROY株式会社では、アリの種類や発生場所を確認し、侵入経路や巣の位置、住宅周辺の環境を調査します。必要に応じて、毒餌や薬剤による駆除、侵入口の封鎖、雨漏りや水漏れによって傷んだ木部の確認まで対応可能です。
