
はじめに
夏になり、フローリングや畳の近くに、きな粉のような細かい木の粉が落ちていることがあります。
「シロアリに食べられているのでは」
「このまま家が倒れるのでは」
と不安になるかもしれませんが、木の粉が出たからといって、すぐに建物が倒れるわけではありません。
一方で、ヒラタキクイムシが原因の場合、木材の内部で幼虫の食害が続いている可能性があります。そのまま放置すると、翌年も同じ場所から木粉が出たり、周囲の木材へ被害が広がったりして、部材交換が必要になることもあります。
大切なのは、過度に怖がるのではなく、木粉の状態や小さな穴の有無を確認し、早めに原因を特定することです。
この記事では、ヒラタキクイムシの基本生態、木粉や穴の見分け方、シロアリとの違い、自分でできる対策、専門業者へ相談すべきケースを解説します。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
フローリングや畳の近くに木の粉が出る原因

床の近くに木粉が落ちていても、すべてがヒラタキクイムシによるものとは限りません。
まずは、粉が出ている場所と、周囲の木材の状態を確認しましょう。
考えられる主な原因
・ヒラタキクイムシによる食害
・家具やフローリングの摩耗
・工事やリフォーム後に残った木くず
・木材の乾燥や劣化
・シロアリなど別の木材害虫
・畳の下地や周辺木材の傷み
ヒラタキクイムシの場合は、木粉の近くに直径1〜2mmほどの丸い穴が見つかることがあります。
一度掃除しても、翌日以降に同じ場所へ細かな粉が落ちている場合は、木材内部で虫が活動している可能性があります。
ヒラタキクイムシとは
ヒラタキクイムシは、乾燥した木材を食害する小型の甲虫です。
木材の表面ではなく、幼虫が木の内部へ入り込み、孔道を作りながら成長します。
ヒラタキクイムシの基本情報

ヒラタキクイムシは、人へ直接危害を加える虫ではありません。
問題になるのは、幼虫がフローリング、家具、建具、合板などの内部を食べ続ける点です。
ヒラタキクイムシの成長と被害の流れ
成虫は、広葉樹材の小さな穴や道管へ卵を産みます。
表面が塗装されていない木材や、木口が露出している場所は産卵されやすくなります。
ふ化した幼虫は木材内部へ入り込み、木を食べながら複雑な孔道を作ります。
幼虫は長い期間、木の中で過ごします。
一般的には一世代に約1年かかることが多く、冬の間も木材内部に残っています。
幼虫は長い期間、木の中で過ごします。
一般的には一世代に約1年かかることが多く、冬の間も木材内部に残っています。
なぜ夏に木粉が見つかりやすい?
ヒラタキクイムシは、春から夏にかけて成虫が木材から出てくることが多い虫です。
そのため、気温が上がる5月から8月ごろに、小さな穴や木粉へ気づきやすくなります。
夏に被害を発見しやすい理由
・成虫が木材から出る時期と重なる
・脱出するときに木粉が押し出される
・床掃除の際に新しい粉へ気づきやすい
・室温が上がり活動が活発になる
・窓際や室内で成虫を見つけることがある
ただし、暖房された室内や建物の環境によっては、発生時期がずれる場合もあります。
ヒラタキクイムシは日本のどこにいる?
ヒラタキクイムシ類は、日本の広い地域で確認されています。
特定の地域だけに生息する虫ではなく、発生しやすい木材が住宅や家具に使われていれば、戸建て、集合住宅、店舗を問わず被害が起こる可能性があります。
ヒラタキクイムシ類には複数の種類があり、種類によって詳しい分布は異なりますが、「日本の広い地域で発生する可能性がある木材害虫」と考えてよいでしょう。
ヒラタキクイムシが食害しやすい木材
ヒラタキクイムシは、すべての木材を同じように食べるわけではありません。でんぷん質を多く含む、乾燥した広葉樹の辺材を好みます。
被害が見られやすい木材
・ラワン
・ナラ
・カシ
・ケヤキ
・キリ
・タケ
・広葉樹の合板
・一部の輸入木材
スギやヒノキなどの針葉樹は、一般的には食害されにくいとされています。
ただし、合板や家具には複数の木材が使われていることがあるため、見た目だけで判断するのは難しいでしょう。
ヒラタキクイムシが発生しやすい場所

畳の近くに木粉が落ちている場合でも、畳そのものではなく、畳の下地、床板、木製家具などが発生源の可能性があります。
ヒラタキクイムシ被害の見分け方
木粉だけでは虫の種類を断定できません。
次のようなサインが重なっていないか確認してください。
発生チェックリスト
複数当てはまる場合は、ヒラタキクイムシ類による被害の可能性があります。
シロアリとの違い

木粉が出ているからといって、必ずヒラタキクイムシとは限りません。
木材が湿っている、蟻道がある、羽アリを見かけた場合は、シロアリ被害も疑いましょう。
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ヒラタキクイムシを放置するとどうなる?
ヒラタキクイムシの被害を放置しても、すぐに家が倒れるとは限りません。
一方で、木材内部の食害が続くことで、次のような問題につながる可能性があります。
・翌年も被害が繰り返す
木材内部に卵や幼虫が残っていれば、翌年に再び木粉や穴が現れることがあります。
・木材内部がもろくなる
長期間食害されると、フローリングや家具の内部がもろくなり、表面の穴が増える場合があります。
・周囲の木材へ広がる可能性がある
木材から出た成虫が、近くの産卵に適した木材へ移動することがあります。
・部材交換が必要になることがある
被害が軽いうちは薬剤処理や部品補修で済むことがありますが、内部まで広く食害されている場合は、フローリング、家具、建具などの交換が必要になることもあります。
放置するほど、施工範囲や費用が大きくなる可能性があります。
木粉を見つけたときの確認手順
自分でできる対策
被害が小さく、発生場所がはっきりしている場合は、市販薬で対応できることもあります。
・木粉と成虫を掃除する
・発生場所と日付を記録する
・適用のある殺虫剤を脱出孔へ処理する
・薬剤の説明書に従って木材表面へ使用する
・小型家具をほかの木製品から離す
・周囲の木材に新しい穴がないか確認する
殺虫剤を使用する場合は、対象害虫と使用場所を必ず確認してください。
小さな子どもやペットがいる家庭では、使用方法や換気にも注意が必要です。
自力駆除が難しい理由
ヒラタキクイムシの幼虫は木材内部に隠れているため、表面へ殺虫剤をかけても十分に届かないことがあります。また、見えている穴は成虫が外へ出た跡であり、その場所だけを処理しても被害を止められるとは限りません。
床・壁・建具の内部や、複数の場所で発生している場合は、専門業者による調査が必要です。
やってはいけない対処

❌木粉だけを掃除して放置する
粉を取り除くだけでは、木材内部の虫は駆除できません
❌穴をすぐにふさぐ
穴をふさいでも内部の幼虫は残ります。また、新しい穴ができたか判断しにくくなります。
❌被害家具を別の部屋へ移す
家具に虫が残っている場合、移動先へ被害が広がる可能性があります。
❌適用を確認せずに薬剤を使う
木材や床材によっては、変色や傷みにつながることがあります。
専門業者へ相談した方がよいケース
・掃除しても木粉が繰り返し出る
・複数の場所に小さな穴がある
・フローリングや建具から発生している
・毎年同じ時期に再発する
・被害範囲が分からない
・新築やリフォーム後に発生した
・市販薬を使っても止まらない
・木材がもろくなっている
・シロアリとの区別がつかない
専門業者は、虫の種類、発生している木材、被害範囲を確認し、状況に応じた方法を提案します。
専門業者が行う主な対策

・虫と被害木材の特定
・脱出孔への薬剤注入
・木材表面への薬剤処理
・必要に応じた穿孔注入
・被害木材の部分交換
・周辺木材への予防処理
・施工後の経過観察
木材内部の被害が大きい場合は、薬剤処理だけでなく部材交換が必要になることもあります。
よくある質問
-
ヒラタキクイムシは人を刺しますか?
-
人を刺したり、かんだりする虫ではありません。
健康被害よりも、木材への食害が問題になります。
-
木粉が出たら必ずヒラタキクイムシですか?
-
木粉だけでは断定できません。
工事の木くず、家具の摩耗、別の木材害虫などの可能性もあるため、小さな丸い穴や再発の有無も確認しましょう。
-
畳も食べますか?
-
畳そのものより、畳の下地や周辺に使われている広葉樹林、合板などが食害されている可能性があります。
-
新築住宅でも発生しますか?
-
発生することがあります。
建材や家具の中に卵や幼虫がいる状態で持ち込まれ、入居後に成虫が出てくるケースもあります。
-
穴をパテでふさいでも大丈夫ですか?
-
発生状況を確認する前にふさぐのは避けましょう。
穴をふさいでも木材内部の虫は駆除できません。
-
一度薬剤を使えば再発しませんか?
-
内部に卵や幼虫が残っていると、翌年に再発することがあります。
処理後も翌年の春から夏まで、新しい木粉や穴が出ないか確認しましょう。
-
賃貸住宅では誰に相談すれば良いですか?
-
まずは管理会社や大家へ相談しましょう。
発生場所を撮影し、木粉が繰り返し出ていることを伝えると説明しやすくなります。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
まとめ
夏にフローリングや畳の近くへ細かな木粉が落ちている場合は、ヒラタキクイムシが発生している可能性があります。
木粉が出たからといって、すぐに建物が倒れるわけではありません。しかし、放置すると木材内部の食害が続き、翌年の再発、周囲への拡大、部材交換につながる場合があります。
まずは木粉と穴を撮影し、一度掃除したうえで、同じ場所に再び粉が出るか確認しましょう。
フローリング、壁、建具、複数の場所で発生している場合や、シロアリとの区別がつかない場合は、早めに専門業者へ相談してください。
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