
はじめに
キッチンや浴室、トイレの換気扇から「チュンチュン」という鳴き声や、羽ばたくような音が聞こえる場合、屋外の換気フードや排気ダクト周辺に鳥が巣を作っている可能性があります。
鳥や巣材がファンの近くにある状態で換気扇を動かすと、鳥を傷つけるだけでなく、異音や換気能力の低下、設備の故障につながるおそれがあります。
ただし、換気扇から音が聞こえても、必ずしも鳥が内部にいるとは限りません。本記事では、考えられる原因、鳥の巣を安全に確認する方法、換気扇を運転してよいかの判断基準、撤去時に注意したい法律について解説します。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
換気扇から鳥の鳴き声がするときは運転を止める

換気扇から明らかな鳥の鳴き声や羽ばたく音が聞こえる場合は、巣の位置や鳥の有無を確認できるまで運転を控えましょう。
鳥や巣材がファンの近くにある状態で運転すると、巣材が羽根に巻き込まれたり、鳥やヒナが傷ついたりする可能性があります。
換気扇メーカーも、羽根やグリルなどに異物が付着して異音が発生している場合は、換気扇を停止して確認するよう案内しています。運転中に異常な音や振動が続く場合は、使用を中止し、必要に応じて販売店や施工業者へ相談してください。
状況ごとの目安は次のとおりです。
当てはまる項目をタップしてください。換気扇を分解したり、高所へ登ったりせず、安全な範囲だけで確認しましょう。
異音、焦げ臭さ、強い振動、室内への巣材の落下がある場合は、チェック数にかかわらず使用を中止してください。卵やヒナがいる巣も自己判断で撤去しないようにしましょう。
※このチェックは原因を確定するものではありません。換気扇の分解、高所での確認、排気ダクトへ棒や道具を入れる行為は避けてください。
換気扇から鳥の鳴き声がする主な原因
換気扇から聞こえる鳴き声は、換気扇本体の中だけで発生しているとは限りません。
排気ダクトは屋内と屋外をつないでいるため、外壁側や天井裏で発生した音がダクトを通り、室内の換気扇から聞こえてくることがあります。
屋外の換気フードに巣を作っている

特に確認したいのが、外壁に設置された換気フードやベントキャップです。
換気フードの内部や上部、外壁との隙間は、雨風が当たりにくく、外敵からも見つかりにくい場所です。防鳥網の破損やカバーのずれがあると、小型の鳥が内部へ入り込むことがあります。
換気フード付近で次のような状態が見られる場合は、巣が作られている可能性があります。
鳥が何度も同じ排気口へ出入りしている
くちばしに枝や枯れ草をくわえている
- 換気フードから草やひもが飛び出している
- 排気口の下にフンが集中している
- 早朝になると同じ場所から鳴き声が聞こえる
排気ダクトの入口付近に巣がある

鳥が換気フードを通過し、排気ダクトの入口付近まで巣材を運び込んでいることもあります。
巣がファンから離れていても、鳴き声がダクト内で反響するため、室内側では換気扇のすぐ奥から聞こえているように感じます。
ダクトの内部は外から見えにくく、無理に棒や道具を差し込むと、鳥や設備を傷つける危険があります。巣の位置を確認できない場合は、分解せず専門業者へ相談しましょう。
換気口周辺の壁内や天井裏に巣がある

鳴き声が聞こえる場所と、実際の巣の場所が異なるケースもあります。
外壁のひび割れ、軒下の隙間、換気フードと外壁の接合部分などから侵入し、壁の内部や天井裏に巣を作っている可能性があります。
この場合、鳴き声は換気ダクトや天井材を通じて聞こえます。換気扇を停止しても鳴き声の大きさが変わらない場合は、換気扇本体ではなく、その周辺に巣があるかもしれません。
親鳥がヒナへ餌を運んでいる

親鳥が頻繁に換気口へ出入りし、内部から細かい鳴き声が続く場合は、すでに卵がふ化している可能性があります。
ヒナがいる時期は、親鳥が朝から夕方まで繰り返し餌を運びます。そのため、早朝や日中に鳴き声が目立ちやすくなります。
ただし、鳴き声だけで卵やヒナの有無を断定することはできません。確認するために巣を動かしたり、換気フードを外したりするのは避けてください。
鳥ではなく換気扇のシャッター音の場合もある

換気扇から「パタパタ」「カタカタ」という音がしても、鳴き声が聞こえない場合は、鳥ではない可能性もあります。
風が強い日やドアを勢いよく開閉したときは、外風や室内の気圧変化によって換気扇のシャッターが動き、音が発生することがあります。メーカーも、強風時に聞こえるパタパタ音は、風圧シャッターが閉じる音の場合があると説明しています。
鳥かどうか判断できない場合は、音が発生する時間帯、天候、換気扇の運転状況を記録しておくと原因を特定しやすくなります。
鳥の巣があるか安全に確認する方法

次の手順で、無理のない範囲から確認しましょう。
まずは換気扇のスイッチを切り、音の変化を確認します。
停止後も鳴き声が続いている場合は、鳥が換気フード、ダクト、壁内などにいる可能性があります。
「鳥を追い出すために強運転にする」という対応は避けましょう。巣材をファンへ巻き込んだり、鳥を傷つけたりするおそれがあります。
鳥の鳴き声は、早朝から日中にかけて目立つ傾向があります。
一方、夜間に「カサカサ」「ガリガリ」という音が聞こえる場合は、ネズミやコウモリなど別の生き物も考えられます。
| 音や状況 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 早朝からチュンチュン鳴く | 鳥やヒナ |
| 日中に鳥が何度も出入りする | 子育て中の巣 |
| バタバタと羽ばたく音がする | 鳥が内部にいる可能性 |
| 夜間にカサカサ動く | ネズミやコウモリの可能性 |
| 強風時だけパタパタ鳴る | 換気扇のシャッター |
| 運転中だけカタカタ鳴る | 巣材や異物、設備の不具合 |
音だけで生き物を断定するのは難しいため、あくまで確認の目安として考えてください。
地上やベランダなど、安全な場所から外壁の換気フードを確認します。
高い位置にある場合は、無理にはしごへ登らず、スマートフォンのズーム機能などを利用してください。
確認するポイントは次のとおりです。
- 換気フードに鳥が出入りしていないか
- 枝、枯れ草、羽毛などが見えないか
- 排気口の下にフンが落ちていないか
- 防鳥網やカバーが外れていないか
- 外壁との間に隙間がないか
鳥が出入りしている場合は、排気口へ近づき過ぎず、巣の位置と使用状況を業者へ伝えられるよう写真や動画を撮っておきましょう。
換気扇のカバーやフィルターを外せる製品もありますが、鳥の巣が疑われるときは、通常の掃除と同じ感覚で分解しないようにしてください。
カバーを外した瞬間に鳥が室内へ飛び出したり、巣材やフンが落下したりする可能性があります。
また、換気扇の奥にはファン、配線、モーターなどがあります。巣材が絡んでいる状態で無理に引っ張ると、設備を破損するおそれがあります。
鳥の巣がある状態で換気扇を運転しても大丈夫?
結論として、鳥の鳴き声や出入りが確認できる場合は、巣の位置や内部の状態が分かるまで換気扇の運転を控えるのが安全です。
- 換気扇のすぐ奥から鳴き声がする 鳥やヒナがファンの近くにいる可能性があります。
- 運転すると鳥が暴れるような音がする 回転音や風に驚いた鳥が、内部で動いている可能性があります。
- ファンに何かが当たる異音がする 枝や枯れ草などの巣材が、ファンに接触しているおそれがあります。
- 屋外の換気フードから巣材が見えている 排気口やダクトの入口付近に巣が作られている可能性があります。
- 焦げ臭いにおいや強い振動がある ファンやモーターに負荷がかかっている可能性があります。
- 換気扇の風量が以前より明らかに弱い 巣材によって排気口やダクトがふさがれているかもしれません。
換気扇の使用を中止し、必要に応じて対象のブレーカーを切ったうえで、販売店や工事店へ相談してください。ブレーカーの場所や対象回路が分からない場合は、無理に操作せず施工業者へ確認しましょう。
24時間換気設備は、室内の空気を入れ替え、湿気や汚れた空気を排出するため、通常は継続して運転することが基本です。
停止したまま長期間放置するのではなく、できるだけ早く巣の確認や設備点検を行い、正常に運転できる状態へ戻すことが大切です。
鳥の巣を放置することで起こる被害
鳥の巣をそのまま放置すると、換気扇だけでなく、建物や室内環境にも影響が広がることがあります。
ファンやモーターの故障
枝、枯れ草、ビニールひもなどの巣材がファンへ接触すると、異音や振動が発生します。
そのまま運転を続けると、ファンが正常に回転できず、モーターへ負担がかかる可能性があります。換気扇内部への営巣は、設備故障の原因になり得ます。
換気能力の低下
巣材によって排気口やダクトがふさがれると、室内の空気を十分に排出できません。
キッチンでは煙やにおい、浴室では湿気、トイレでは臭気がこもりやすくなります。換気扇を動かしても風量が弱い場合は、フィルター汚れだけでなく、屋外側の詰まりも確認する必要があります。
フンや巣材による汚れ
巣の周辺にはフン、羽毛、餌の残りなどがたまります。
野鳥のフンには病原菌や寄生虫が含まれている場合があるため、乾燥したフンを素手で触ったり、ほうきで勢いよく掃いて飛散させたりするのは避けましょう。清掃する場合はマスクと手袋を着用し、フンを湿らせてから処理することが推奨されています。
室内へ鳥や巣材が落ちる
換気扇の構造や巣の位置によっては、鳥がダクトを進んで室内側へ出てきたり、枯れ草や羽毛が換気扇から落ちたりすることがあります。
特に換気扇のカバーが外れている場合や、内部の部品が破損している場合は注意が必要です。
卵やヒナがいる巣は勝手に撤去できない

鳥の巣を撤去できるかどうかは、巣の中に卵やヒナがいるかによって異なります。
鳥獣保護管理法では、野生鳥獣や鳥類の卵について、許可のない捕獲、殺傷、採取が原則として禁止されています。
空の巣の場合
卵やヒナがおらず、すでに使用されていない空の巣であれば、基本的に許可なしで撤去できます。
ただし、巣が空に見えても、親鳥が一時的に離れているだけの場合があります。時間を空けて鳥の出入りを確認し、本当に使用されていないことを確かめてください。
卵やヒナがいる場合
卵やヒナがいる巣は、許可なく撤去したり移動させたりできません。
緊急性がなければ、ヒナが巣立つまで待ち、巣が空になってから撤去します。生活環境や設備への影響が大きく、巣立ちまで待つことが難しい場合は、自治体へ捕獲許可について相談するか、必要な許可に対応できる専門業者へ依頼してください。
単に害鳥駆除業者へ依頼すれば、無条件に撤去できるわけではありません。卵やヒナがいる場合は、業者による作業でも適切な許可が必要です。
換気扇の鳥の巣を撤去する流れ
巣を取り除くだけでなく、鳥の出入りや卵・ヒナの有無を確認し、設備点検と再侵入防止まで行うことが大切です。
換気フード、排気ダクトの入口、外壁の隙間、天井裏などを確認し、巣が作られている場所を特定します。
同時に、卵やヒナがいるか、親鳥が現在も出入りしているかを確認します。
巣の位置と使用状況を確認卵やヒナがおらず、鳥が使用していない空の巣であれば、撤去を進められます。
卵やヒナがいる場合は自己判断で撤去せず、巣立ちを待つか、自治体へ捕獲許可について相談します。
卵やヒナがいる巣は撤去しない巣を取り除くだけでなく、換気フードやダクト周辺に残った枝、羽毛、フンなども除去します。
巣材がダクトの奥へ入り込んでいる場合は、換気扇やダクトを傷つけないよう慎重な作業が必要です。
巣材・フン・羽毛まで清掃撤去後は、ファン、モーター、シャッター、排気ダクトなどに破損や詰まりがないか確認します。
巣を撤去しても異音や振動、風量の低下が続く場合は、設備業者による修理や部品交換が必要です。
異音や風量低下も確認清掃だけで終わらせると、同じ場所へ再び巣を作られる可能性があります。
鳥が残っていないことを確認したうえで、換気を妨げない防鳥網や適切なベントキャップを設置し、破損した換気フードや外壁の隙間を補修します。
撤去後は再侵入を防止高所やダクト内部の作業も、転落や設備破損の危険があります。自分で安全に対応できない場合は、害鳥対策業者や換気設備業者へ相談しましょう。
換気扇に鳥の巣があるときのNG行動
無理に鳥を追い出したり、巣を取り除いたりすると、鳥や設備を傷つけるだけでなく、法律に抵触する可能性もあります。
ファンの風や音で追い出そうとすると、鳥やヒナを傷つけたり、枝や枯れ草などの巣材をファンへ巻き込んだりする危険があります。
巣の奥に卵やヒナがいる可能性があります。また、棒や掃除道具を差し込むと、換気扇の羽根や排気ダクトを破損するおそれがあります。
換気扇やダクトへ薬剤を吹き込むと、薬剤が室内へ戻ったり、ファンやモーターなどの設備へ付着したりする可能性があります。
親鳥やヒナが内部に残ったまま侵入口をふさぐと、鳥を閉じ込めてしまいます。巣が空になったことを確認してから侵入防止対策を行ってください。
卵やヒナがいる巣を許可なく撤去すると、鳥獣保護管理法に抵触する可能性があります。巣の使用状況が分からない場合も動かさないでください。
2階の外壁や軒下にある換気フードを、不安定な脚立やはしごから確認するのは危険です。転落のおそれがある場所は専門業者へ依頼しましょう。
親鳥が餌を探すため、一時的に巣を離れている可能性があります。時間を空けて鳥の出入りを確認し、卵やヒナを含めて巣が使用されていないことを確かめる必要があります。
賃貸住宅で鳥の鳴き声がするときの対応
アパートやマンションなどの賃貸住宅では、換気扇を分解したり、屋外フードへ防鳥網を取り付けたりする前に、管理会社や大家へ連絡してください。
換気フードや外壁、ダクトが共用部分に該当する場合、入居者が勝手に工事できないことがあります。
連絡する際は、次の情報を伝えると状況を把握してもらいやすくなります。
- 鳴き声が聞こえる部屋
- 音がする時間帯
- 換気扇の運転中か停止中か
- 屋外で鳥の出入りを確認したか
- 枝やフンが見えるか
- 異音、振動、においが発生しているか
- 写真や動画の有無
設備の故障を伴っている可能性もあるため、鳥の巣の撤去と換気設備の点検を分けず、両方を確認してもらいましょう。
専門業者へ相談した方がよいケース
次のような場合は、自分で確認や撤去を行わず、害鳥対策業者や換気設備業者へ相談してください。
- 卵やヒナがいる
- 巣がダクトの奥にある
- 鳥が換気扇内部に入り込んでいる
- 換気扇から強い異音や振動がする
- 焦げ臭いにおいがする
- 巣やフンが大量にたまっている
- 2階以上の高所に換気フードがある
- 外壁や軒下にも隙間がある
- 毎年同じ場所に巣を作られる
- 賃貸住宅や集合住宅である
害鳥対策業者は鳥の調査、巣の撤去、清掃、侵入防止を担当します。一方、ファンやモーター、ダクトの修理は換気設備業者や電気工事業者の対応になることがあります。
被害状況によっては、両方の点検が必要です。
Q&A
- 換気扇から朝だけ鳴き声がするのは鳥ですか?
-
早朝から日中にかけて「チュンチュン」という鳴き声が繰り返される場合は、鳥やヒナの可能性があります。
ただし、音の時間帯だけでは断定できません。屋外の換気フードへ鳥が出入りしていないか、安全な場所から確認してください。
- 鳴き声が聞こえなくなったら換気扇を使ってもよいですか?
-
一時的に鳴き声が止まっても、親鳥が餌を探しに出ているだけかもしれません。
屋外側の出入りや巣材の有無を確認し、鳥や巣がないと判断できるまでは運転を控えた方が安全です。
- 巣が空なら自分で撤去できますか?
-
卵やヒナがいない空の巣であれば、原則として許可なしで撤去できます。
ただし、高所やダクト内部での作業は危険です。また、撤去後に換気扇の異音が残る場合は、設備点検を依頼してください。
- 鳥の巣を撤去したらすぐに換気扇を使えますか?
-
巣材がすべて除去され、ファンやダクトに異常がないことを確認してから使用します。
異音、振動、風量低下、焦げ臭さなどがある場合は運転せず、設備業者へ相談しましょう。
- 鳥の巣はどこへ相談すればよいですか?
-
卵やヒナがいる場合の法律や許可については、自治体の鳥獣担当窓口へ相談します。
巣の調査や撤去、清掃、再発防止は害鳥対策業者、換気扇の故障やダクトの点検は換気設備業者や施工業者が相談先になります。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
まとめ
換気扇から鳥の鳴き声が聞こえる場合は、屋外の換気フード、排気ダクト、外壁や天井裏の隙間などに巣が作られている可能性があります。
鳥や巣材がファン付近にある状態で換気扇を動かすと、鳥を傷つけるだけでなく、異音や換気能力の低下、設備故障につながるおそれがあります。鳴き声や羽ばたく音が確認できる間は運転を控え、室内側から無理に分解しないようにしましょう。
また、巣の中に卵やヒナがいる場合は、鳥獣保護管理法により、許可なく撤去することはできません。
鳥が巣立った後は、巣材やフンを取り除くだけでなく、換気扇とダクトの点検、換気フードの補修、再侵入を防ぐ対策まで行うことが大切です。
