
台風や大雨の際、屋根や窓の対策に目が行きがちですが、実は床下通気口も注意したい場所です。
2026年は台風6号が発生し、沖縄・奄美への接近や、西日本・東日本でも大雨のおそれがあると報じられています。台風シーズンは今後も油断できないため、住まいの弱点を早めに確認しておくことが大切です。
床下通気口が劣化していたり、まわりに隙間があったりすると、台風時の横殴りの雨や吹き込みによって床下に水が入り込みやすくなります。さらに、床下の湿気が増えることで、カビ・木部腐食・シロアリ被害・基礎まわりの劣化につながるケースもあります。
この記事では、住宅リフォームのプロ視点から、床下通気口の役割、台風時に起こるリスク、劣化サイン、今すぐできる対策、業者に依頼すべきタイミングまで詳しく解説します。
床下通気口とは?

床下通気口とは、住宅の基礎部分に設けられている換気用の開口部です。
主な役割は、床下にこもりやすい湿気を外へ逃がし、木材や基礎まわりの劣化を防ぐことです。
床下は普段見えない場所ですが、湿気がたまりやすい環境です。特に日本の住宅では、梅雨・台風・長雨の影響で床下が湿りやすくなります。
床下通気口には、次のような役割があります。
・床下の湿気を逃がす
・木材の腐食を防ぐ
・カビの発生を抑える
・シロアリが好む環境を作りにくくする
・床下空間の空気を循環させる
つまり床下通気口は、住宅の耐久性を守るために重要な設備です。
台風と床下通気口の関係

台風時は、通常の雨とは違い、強い風によって雨水が横方向から吹き付けます。
そのため、普段の雨では問題がない住宅でも、台風や大雨のときだけ床下通気口から水が入り込むことがあります。
注意したいケース
・通気口カバーが割れている
・金網や格子が外れている
・基礎まわりに隙間がある
・通気口の位置が地面に近い
・庭や道路から雨水が流れ込む
・排水が悪く、基礎まわりに水がたまりやすい
台風時は雨量だけでなく、風向きや地面の排水状況によっても床下への水の入りやすさが変わります。
一度床下に水が入ると、すぐに乾かないことも多く、長期間湿気が残ることがあります。
劣化した床下通気口で起こりやすいリスク
① 雨水が床下へ入り込む

劣化した床下通気口で最も注意したいのが、台風や大雨による雨水の侵入です。
本来、床下通気口は床下の湿気を逃がすための設備ですが、カバーの破損や金網の外れ、周囲の隙間がある状態では、強風を伴う雨によって床下へ水が吹き込むことがあります。
特に台風時は、横殴りの雨が長時間続くため、普段は問題のない住宅でも床下に雨水が入り込むケースがあります。
床下へ水が侵入すると、次のような住宅トラブルにつながるおそれがあります。
・床下の湿度上昇
・土台や大引きなど木材の腐食
・カビや悪臭の発生
・断熱材の性能低下
・床鳴りや床の沈み
・シロアリが発生しやすい環境になる
さらに厄介なのは、これらの被害が普段見えない床下で静かに進行することです。
被害に気付いた頃には、木部の腐食や断熱材の交換が必要になるなど、大掛かりな補修工事につながるケースも少なくありません。
特に築年数が経過している住宅や、過去に浸水・湿気トラブルを経験している住宅では注意が必要です。
床下への雨水侵入は「少しくらいなら大丈夫」と思われがちですが、繰り返されることで住宅の寿命を縮める原因になります。台風シーズン前に床下通気口の破損や隙間がないか確認し、早めに補修しておくことが大切です。
② 木部腐食

床下には、土台や大引きなど、住宅を支える大切な木材が使われています。
床下通気口から雨水が入り込み、湿気がこもった状態が続くとこれらの木部が腐食しやすくなります。
木部腐食が進むと、
・床が沈む
・歩くと床がきしむ
・床がふわふわする
・住宅の耐久性が低下する
・補修範囲が広がるといったトラブルにつながる可能性があります。
特に木部腐食は、初期段階では見た目で気づきにくいのが厄介です。
「歩くと床が沈む感じがする」「床鳴りが増えた」と感じた時には、すでに床下で劣化が進んでいるケースもあります。
床下の湿気は、住宅の寿命に関わる大きな問題です。台風や大雨のあとに床下が湿った状態が続く場合は、早めの点検が重要です。
③ カビ・悪臭の発生

床下に湿気がこもると、カビが発生しやすくなります。
特に台風や大雨のあとに床下が濡れたままになると、空気がこもり、カビ臭さが室内まで上がってくることがあります。
次のような症状がある場合は注意が必要です。
・雨のあとに部屋がカビ臭い
・押し入れや畳が湿っぽい
・床下収納を開けるとにおう
・室内の空気が重く感じる
・床まわりに湿気を感じる
カビは見た目の問題だけでなく、住環境や健康面にも影響することがあります。放置すると、悪臭だけでなく木材の劣化やダニの発生につながるケースもあります。
床下のカビ臭さは、湿気がこもっているサインです。雨のあとににおいや湿気を感じる場合は、早めに床下の状態を確認することが大切です。
④ シロアリ被害につながる

シロアリは、湿気が多く暗い場所を好みます。
床下通気口が劣化して雨水が入り込むと、床下に湿気がこもりやすくなり、シロアリが住みつきやすい環境になってしまいます。
特に次のような住宅は注意が必要です。
・床下が常に湿っている
・木材が濡れた状態になっている
・基礎まわりに水がたまりやすい
・通気口が物や落ち葉でふさがれている
・床下や庭まわりに古い木材/廃材がある
シロアリ被害は、初期段階では気づきにくく、発見したときには土台や柱の内部まで被害が進んでいるケースもあります。
台風や梅雨のあとに床下の湿気が長く残ると、シロアリ被害のリスクが高まります。床下通気口の劣化や詰まりは、早めに確認しておくことが大切です。
⑤ 害虫・害獣の侵入口になる

床下通気口のカバーや金網が破損していると、雨水だけでなく害虫や小動物の侵入口になることがあります。
特に侵入しやすいものとしては、
・ゴキブリ
・ムカデ
・ヤスデ
・クモ
・ネズミ
・ヘビなどが考えられます。
床下は暗く、人目につきにくく、湿気がこもりやすい場所です。そのため、一度入り込まれると、害虫や小動物にとって隠れやすい環境になってしまいます。
特に台風後は、屋外の虫や小動物が雨風を避けるために住宅周辺へ移動することがあります。床下通気口に隙間があると、そこから床下へ入り込まれる可能性があるため注意が必要です。
床下通気口の破損は、雨水だけでなく害虫・害獣被害の原因にもなります。カバーの割れや金網の破れを見つけた場合は、早めに補修して侵入経路をふさぐことが大切です。
劣化している床下通気口のサイン

台風・大雨前に行うべき対策
① 床下通気口の破損を確認する

チェックしたいポイント
・カバーが割れていないか
・金網が破れていないか
・格子が外れていないか
・通気口まわりに隙間がないか
・基礎にひび割れがないか
まずは、目視で床下通気口を確認しましょう。
台風前は、普段よりも雨風の影響を受けやすくなります。少しでも破損がある場合は、早めに補修を検討しましょう。
② 通気口まわりの障害物を片付ける

床下通気口の前に物が置かれていると、通気が悪くなります。
特に、
・植木鉢
・木材
・園芸用品
・落ち葉
・ゴミ
・雑草などが通気口の前にある場合は、台風前に片付けておきましょう。
通気口をふさいでしまうと床下の空気が流れにくくなり、湿気がこもりやすくなります。
③ 基礎まわりの排水を確認する

台風時は、床下通気口そのものだけでなく、基礎まわりの水はけも重要です。
次のような状態は注意が必要です。
・基礎の近くに水たまりができる
・庭の土が通気口より高い
・雨どいの排水が基礎側へ流れている
・排水溝に落ち葉や泥が詰まっている
・通気口付近に雨水が集まりやすい
水が基礎まわりにたまると、床下へ入り込むリスクが高まります。
台風前には、排水溝や雨どいの詰まりも確認しておくと安心です。
④ 防虫ネット・通気口カバーを確認する

床下通気口には、防虫・防鼠目的のネットやカバーが付いていることがあります。
ただし、古くなると、
・破れ
・サビ
・外れ
・目詰まり
・固定不良が起こることがあります。
特に目が粗い古い金網では、小さな虫の侵入を防ぎきれないケースもあります。
必要に応じて、耐久性のある防虫ネットや専用カバーへ交換するのがおすすめです。
台風直前に無理な作業をしない
台風が接近してから屋外で作業するのは危険です。
強風時に脚立を使ったり、雨の中で基礎まわりを確認したりするのは避けましょう。
点検や補修は、台風が来る前の晴れている日や、業者が安全に作業できるタイミングで行うことが大切です。
台風後に確認したいポイント
台風が過ぎたあとも、床下通気口の確認は重要です。
特に見ておきたいのは以下です。
・通気口カバーが外れていないか
・落ち葉や泥でふさがっていないか
・金網が破れていないか
・基礎まわりに水がたまっていないか
・床下からカビ臭さがしないか
・室内の床が湿っぽくないか
台風後は、飛来物でカバーが破損していたり、泥や落ち葉で通気口がふさがっていたりすることがあります。
また、床下に水が入っている場合は、早めに乾燥・点検することが重要です。
梅雨前の今、依頼すべき理由
梅雨や台風シーズンに入ってから慌てて依頼すると、業者の予約が混み合うことがあります。
特に大雨や台風のあとには、
・雨漏り
・外壁補修
・屋根修理
・床下点検
・害虫相談などの依頼が増えるため、すぐに対応できないケースもあります。
そのため、梅雨前や台風接近前の段階で点検しておくことが重要です。
今のうちに点検しておくメリットは、
・大雨前に弱点を把握できる
・軽微な補修で済みやすい
・台風後の被害を抑えやすい
・害虫やシロアリ対策にもつながる
・床下環境を整えられるといった点です。
「まだ被害が出ていないから大丈夫」ではなく、被害が出る前に確認しておくことが住宅を守るポイントです。
具体的な施工内容
床下通気口まわりの対策では、住宅の状態に応じて次のような施工を行います。
① 通気口カバー交換

床下通気口のカバーに割れ・サビ・外れがある場合は、早めの交換が必要です。
劣化したまま放置すると、台風や大雨の際に雨水が床下へ入り込んだり、ゴキブリ・ムカデ・ネズミなどの侵入口になったりする可能性があります。
交換時は、ただ穴をふさぐのではなく、
・床下の通気性を確保できる
・雨水が入りにくい
・害虫や小動物が侵入しにくい
・サビにくく耐久性があるといった部材を選ぶことが大切です。

床下通気口は「空気を通すこと」と「雨水・害虫を防ぐこと」のバランスが重要です。住宅の状態に合ったカバーへ交換することで、床下環境を守りやすくなります。
② 防虫ネット設置


床下通気口の金網が破れている場合や、網目が粗い場合は、防虫ネットの設置がおすすめです。
金網に隙間があると、ゴキブリ・ムカデ・ヤスデ・クモなどの小さな害虫が床下へ入り込みやすくなります。さらに隙間が大きい場合は、ネズミなどの小動物が侵入する可能性もあります。
防虫ネットを設置することで、
・小型害虫の侵入を防ぎやすくなる
・床下の通気性を保ちやすい
・破損した金網の補強になる
・台風後の虫の侵入対策にもつながるといった効果が期待できます。



防虫ネットは、ただ細かければよいわけではありません。
通気性を確保しながら、害虫が入りにくい網目を選ぶことが大切です。
③ 基礎まわりの隙間補修


床下通気口のまわりに隙間やひび割れがある場合は、補修材やシーリング材を使って適切に補修します。
基礎まわりの隙間を放置すると、台風や大雨の際に雨水が入り込んだり、ゴキブリ・ムカデ・ネズミなどの侵入口になったりする可能性があります。
ただし、注意したいのは通気口そのものを完全にふさがないことです。
床下通気口は、床下の湿気を外へ逃がす大切な役割があります。無理にふさいでしまうと、湿気がこもり、カビ・木部腐食・シロアリ被害につながることがあります。



基礎まわりの補修は、
「隙間をふさぐこと」と「通気を確保すること」のバランスが重要です。
見た目だけで判断せず、床下環境に合った補修を行うことが大切です。
④ 雨水吹き込み対策


床下通気口の位置や風向きによっては、台風や大雨の際に雨水が吹き込みやすくなることがあります。
特に、
・通気口が地面に近い
・風当たりが強い面にある
・基礎まわりに水がたまりやすい
・雨どいの排水が通気口付近に流れているといった場合は注意が必要です。
このような場合は、専用の通気口カバーや水切り部材を設置し、通気性を確保しながら雨水の吹き込みを軽減します。



床下通気口は完全にふさぐのではなく、空気の流れを残しながら雨水を入りにくくすることが重要です。
⑤ 床下点検・乾燥確認


台風や大雨のあとに床下への雨水侵入が疑われる場合は、必要に応じて床下点検を行います。
床下では、主に次のような部分を確認します。
・水たまりができていないか
・木材が腐食していないか
・カビが発生していないか
・シロアリの被害跡がないか
・断熱材が濡れていないか
床下は普段見えない場所のため、被害に気づきにくいのが特徴です。
濡れた状態を放置すると、カビや木部腐食、シロアリ被害につながる可能性があります。



床下が濡れている場合は、乾燥作業だけでなく、防腐・防蟻対策が必要になるケースもあります。
台風後にカビ臭さや床の違和感がある場合は、早めの点検がおすすめです。
住宅リフォームのプロ視点で重要なポイント


「通気口をふさげば安心」ではありません
台風時に雨水が入るからといって、床下通気口を完全にふさいでしまうのはおすすめできません。
なぜなら、床下通気口は床下の湿気を逃がすために必要なものだからです。
無理にふさぐと、
・床下の湿気が増える
・カビが発生しやすくなる
・木部腐食が進む
・シロアリリスクが高まる可能性があります。
重要なのは、通気を確保しながら、雨水や害虫の侵入を抑えることです。
床下通気口だけでなく「排水」も見る
現場でよくあるのが、通気口だけを補修しても、基礎まわりの排水が悪いために再発するケースです。
たとえば、
・雨どいの排水が基礎側へ流れている
・庭の勾配が建物側へ向いている
・排水溝が詰まっている
・土や砂利で通気口が半分埋まっている
といった状態では、台風や大雨のたびに水が通気口へ集まりやすくなります。
そのため、通気口まわりの補修では、排水計画も含めて確認することが大切です。
業者に依頼すべきタイミング
以下に当てはまる場合は、早めに専門業者へ相談するのがおすすめです。
・通気口カバーが割れている
・金網が破れている
・台風後に床下が湿っぽい
・床下からカビ臭がする
・室内でムカデやゴキブリを見かける
・基礎まわりに水たまりができる
・床がきしむ、沈む感じがある
・築年数が20年以上経っている
・過去にシロアリ被害がある
特に「台風後ににおいがする」「床下収納が湿っぽい」といった場合は、床下に湿気が残っている可能性があります。
専門業者へ依頼するメリット


■ 床下の状態まで確認できる
自分で確認できるのは、基本的に外から見える部分だけです。
専門業者なら、床下内部まで確認し、
・水が入った形跡
・木部腐食
・カビ
・シロアリ跡
・基礎の劣化などをチェックできます。
■ 適切な部材を選べる
床下通気口には、住宅の構造や立地に合った部材選びが重要です。
専門業者なら、
・通気性
・防虫性
・耐久性
・雨水対策
・基礎との相性を考慮して提案できます。
■ 防水・防虫・通気のバランスを取れる
床下通気口対策で難しいのは、ただふさげばよいわけではない点です。
防水だけを優先すると通気が悪くなり、通気だけを優先すると虫や雨水が入りやすくなることがあります。
専門業者なら、住宅全体の状態を見ながらバランスよく対策できます。
■ 被害が広がる前に対応できる
床下被害は、見えない場所で進行することが多いです。
早めに点検することで、軽微な補修で済む可能性が高まります。


床下通気口の補修や交換は、台風や大雨による雨水の吹き込みを防ぐだけでなく、床下の湿気対策や害虫・シロアリ被害の予防にもつながります。
通気口の状態によっては、カバーや防虫ネットの交換だけで対応できる場合もあれば、基礎まわりのひび割れ補修や排水対策まで必要になるケースもあります。通気性を確保しながら雨水や虫の侵入を防ぐことが大切なため、見た目だけで判断せず、床下や基礎まわりの状態に合わせた対応が必要です。
台風前に床下通気口の劣化や隙間が気になる方は、お気軽にご相談ください。
建物全体の状態を確認し、適切な補修方法をご提案いたします。
お問い合わせ前に
ご確認ください
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お問い合わせ内容への返信は、下記の電話番号またはメールアドレスよりご連絡いたしますので、ご留意のほどお願い申しあげます。
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責任者名:大石 竜次
- 床下通気口はふさいでもいいですか?
-
基本的にはおすすめできません。
床下通気口は湿気を逃がすために必要です。完全にふさぐと床下に湿気がこもり、カビや木部腐食、シロアリ被害につながる可能性があります
- 台風のときだけ一時的にふさいでもいいですか?
-
一時的な養生として行う場合もありますが、台風後は必ず外す必要があります。
長期間ふさいだままにすると、床下の通気が悪くなります。
- 通気口から虫が入ることはありますか?
-
あります。
金網の破れやカバーの隙間があると、ゴキブリ・ムカデ・ヤスデ・クモなどが侵入することがあります。
- 床下通気口の交換だけで十分ですか?
-
状態によります。
カバー交換だけで済む場合もありますが、基礎まわりのひび割れや床下の湿気、排水不良がある場合は、あわせて対策する必要があります。
- 台風後に床下が心配な場合はどうすればいいですか?
-
まずは通気口まわりを外から確認しましょう。
泥や落ち葉でふさがっている場合は取り除き、カバー破損や水の侵入が疑われる場合は専門業者へ相談するのがおすすめです。

