
はじめに
庭木や植木に、白い綿のようなものや、ふわふわした小さな虫がついていませんか。
近づくとピョンと跳ねる場合、その正体はハゴロモの幼虫かもしれません。
ハゴロモは植物の汁を吸う昆虫で、庭木や果樹などに発生します。
近年では、外来種のチュウゴクアミガサハゴロモも日本各地で確認され、農作物への被害も報告されています。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
ハゴロモとはどんな虫?

ハゴロモは、カメムシ目に属する昆虫の仲間です。
植物の枝や茎、葉などに口を差し込み、植物の汁を吸って生活する「吸汁性害虫」として知られています。
名前に「ハゴロモ」と付いていることから、チョウやガの仲間だと思われることがありますが、分類上はカメムシやセミ、ヨコバイなどに比較的近い昆虫です。
種類によって見た目は大きく異なり、淡い緑色をしたものから、茶色や黒褐色の翅を持つものまでいます。
特に幼虫は成虫と姿が大きく異なるため、同じ虫だとは気付かないことも珍しくありません。
ハゴロモはどのくらいの大きさ?
種類によって異なりますが、アオバハゴロモの成虫はおよそ1cm前後です。
アオバハゴロモの成虫は淡い緑色の翅を持ち、翅の縁がわずかに赤みを帯びていることがあります。
一方、チュウゴクアミガサハゴロモは褐色系の翅を持ち、アオバハゴロモとは見た目が大きく異なります。
小さな昆虫ではありますが、植物の枝に複数匹が集まることもあるため、大量発生するとかなり目立ちます。
白い綿のようなものはハゴロモの幼虫かも

庭木の枝や葉に白い綿のようなものがついている場合、ハゴロモの幼虫かもしれません。
アオバハゴロモなどの幼虫は、体の周りに白いロウ状の物質をまとっているため、カビやホコリのように見えることがあります。
近づいたときや枝に触れたときに、小さな虫がピョンと跳ねて逃げるようなら、ハゴロモの可能性が高いでしょう。
白い付着物だけで判断せず、中に小さな虫がいないか確認することが見分けるポイントです。
カビや植物の病気と間違えやすい
白いロウ状物質が枝全体に付着すると、植物そのものが白く変色したように見えることがあります。
特にアジサイやツバキ、カナメモチなど枝が密集しやすい植物では、内側まで確認しなければ虫がいることに気付かない場合があります。
見分ける際は、白い部分を無理に触るのではなく、まず周囲をよく観察しましょう。
白い物質の中に小さな虫がいたり、近づいた際に虫が跳ねたりする場合は、ハゴロモ類の幼虫である可能性があります。
日本で見られる主なハゴロモ
日本では複数のハゴロモ類を見ることができます。
種類によって体色や被害の程度が異なるため、「ハゴロモだからすべて同じ」と考えないことが大切です。
| 種類 | 主な見た目 | 特徴 |
|---|---|---|
| アオバハゴロモ | 淡い緑色 | 幼虫が白い綿状のロウ物質を出す |
| ベッコウハゴロモ | 茶褐色系 | 翅に特徴的な模様がある |
| アミガサハゴロモ | 褐色系 | 樹木などで見られる在来種 |
| チュウゴクアミガサハゴロモ | 褐色〜黒褐色 | 中国原産の外来種で分布が拡大している |
アオバハゴロモ
家庭の庭木で比較的見かけやすいのがアオバハゴロモです。
成虫は淡い緑色で、アジサイ、マサキ、カナメモチ、バラ、ツバキ類、クチナシ、ユキヤナギなどさまざまな植物に寄生します。
果樹ではミカン類、イチジク、カキ、モモなどで見られることもあります。
幼虫は白いロウ状物質をまとっているため、一般の方が「白い綿みたいな虫」として見つけやすい種類です。
チュウゴクアミガサハゴロモ
近年、特に注意したいのがチュウゴクアミガサハゴロモです。
中国原産の外来種で、かんきつ類やキウイフルーツなどの果樹、茶、花き、植木類など幅広い植物に寄生します。
日本では2017年に大阪府で初めて発見され、その後、本州・四国・九州の各地へ分布を広げています。
農林水産省によると、2026年1月9日時点では28都府県から特殊報が発表されており、今後も発生状況に注意が必要な害虫です。
ハゴロモは害虫?植物にはどんな被害がある?

ハゴロモの仲間は、植物の汁を吸って生活します。
ただし、被害の程度は種類や発生数によって大きく異なります。
数匹程度のアオバハゴロモであれば、植物がすぐに枯れてしまうほどの被害につながるケースは多くありません。
一方で、大量発生した場合やチュウゴクアミガサハゴロモなどが発生した場合は注意が必要です。
主な被害として、次のようなものがあります。
植物の汁を吸う
ハゴロモの幼虫や成虫は、植物に口を差し込み汁を吸います。
少数であれば植物への影響が目立たないこともありますが、多数が同じ植物に寄生すると負担になります。
特に新しい枝や若い植物、大量発生している場合には状態をよく確認しましょう。
白いロウ状物質で植物が汚れる
アオバハゴロモの幼虫などは、白いロウ状物質を分泌します。
多数発生すると枝や葉が白く覆われるため、庭木の見た目を損ねることがあります。
「植物に白いカビが大量発生した」と思って調べた結果、ハゴロモだったというケースもあります。
排泄物からすす病が発生することがある
ハゴロモ類が植物を吸汁すると、糖分を含んだ排泄物である「甘露」が植物表面に付着することがあります。
この甘露にカビが繁殖すると、葉や枝が黒くなる「すす病」が発生する原因になります。
黒い汚れが広がると植物の見た目が悪くなるだけでなく、葉の表面が覆われることで光合成にも影響する可能性があります。
枝への産卵で被害が出る種類もいる
特にチュウゴクアミガサハゴロモでは、成虫が枝に傷をつけて産卵します。
農林水産省によると、産卵によって植物の組織が傷つき、枝先の枯死や枝折れにつながることがあります。
そのため、「小さい虫だから放置しても大丈夫」と一概には言えません。
ハゴロモは人を刺す?毒はある?
庭に大量のハゴロモがいると、
「人を刺さない?」
「触っても大丈夫?」
「毒を持っている?」
と不安になる方もいるでしょう。
ハゴロモは基本的に植物の汁を吸って生活する昆虫です。
蚊やブヨ、ハチのように、人を吸血したり積極的に攻撃したりすることを目的とした虫ではありません。
そのため、ハゴロモを見つけたからといって、人への危険性を過度に心配する必要はありません。
ハゴロモが発生しやすい植物
ハゴロモは非常にさまざまな植物に寄生します。
ハゴロモが発生しやすい植物
- アジサイ
- ツバキ
- バラ
- クチナシ
- カナメモチ
- マサキ
- ユキヤナギ
- ミカン類
- イチジク
- カキ
- モモ
など
特にアオバハゴロモは、多くの花木・庭木・果樹で確認されています。
また、チュウゴクアミガサハゴロモも寄主となる植物の種類が非常に多いことで知られています。
特定の植物だけ確認するのではなく、一度発生を見つけたら周囲の庭木も確認しておくとよいでしょう。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
ハゴロモが大量発生する原因

「去年までは見なかったのに、今年になって急に増えた」ということもあります。
ハゴロモが増える背景には、庭の環境や植物の状態など複数の条件が関係します。
枝や葉が密集している
枝葉が密集して風通しが悪くなっている場所は、ハゴロモが発生しやすくなることがあります。
特に庭木を数年間剪定していない場合、木の内部に虫が発生していても外側から気付きにくくなります。
定期的に剪定し、枝の内側まで確認できる状態にしておくことが大切です。
卵がついた枝が残っている
アオバハゴロモは枝の組織内などに産卵し、卵で冬を越します。
高知県の病害虫情報では、年1回発生し、5月中下旬ごろから幼虫が現れ、7月ごろに成虫になるとされています。
前年に発生していた木では、翌年も同じ周辺で見つかる可能性があります。
周囲の植物から移動してくる
自宅の庭だけを対策していても、隣接する樹木や公園、道路沿いの植栽などから成虫が移動してくる場合があります。
チュウゴクアミガサハゴロモについても、成虫自身の移動だけでなく、寄生した植物が人為的に移動することで分布する可能性が指摘されています。
ハゴロモを自分で駆除する方法
ハゴロモを自分で駆除する方法
少数のハゴロモであれば、自分で対処できる場合があります。植物を傷めないよう、発生状況を確認しながら作業しましょう。
幼虫を取り除く
発生が少ない段階であれば、幼虫を物理的に取り除く方法があります。手袋を着用し、ティッシュや粘着テープなどで取り除きましょう。
白いロウ状物質を除去する
幼虫を取り除いた後も、枝に白いロウ状物質が残る場合があります。そのままにすると見た目も悪いため、植物を傷つけない範囲で取り除きましょう。
発生している枝を剪定する
卵や幼虫が集中している枝については、必要に応じて剪定する方法があります。特にチュウゴクアミガサハゴロモについては、農林水産省も産卵痕のある枝を見つけ次第除去する方法を防除対策として挙げています。
防虫ネットを使用する
大切な果樹などへの産卵を防ぎたい場合、防虫ネットが有効なケースもあります。農林水産省も、チュウゴクアミガサハゴロモの成虫による産卵被害を防ぐ方法として、防虫ネットを挙げています。
作業前のチェックリスト
ハゴロモに殺虫剤は使える?
ハゴロモの駆除で殺虫剤を検討する場合は、「その植物」と「対象害虫」に使用できる農薬なのかを必ず確認してください。
農薬は商品ごとに使用できる植物、対象害虫、使用量、使用回数などが決められています。
なお、農林水産省植物防疫所が2026年1月21日に公表した情報では、2026年1月9日時点でチュウゴクアミガサハゴロモを対象とした国内の登録農薬はないとされています。
最新の登録状況を確認したうえで、ラベルに記載された使用方法を守ることが重要です。
チュウゴクアミガサハゴロモの拡大にも注意
現在、特に注目されているのが外来種のチュウゴクアミガサハゴロモです。
農林水産省植物防疫所によると、中国原産で、かんきつ類やキウイフルーツなどの果樹、キク科植物、茶、植木類など幅広い植物を加害します。
成虫や幼虫による吸汁だけでなく、
・甘露によるすす病
・枝への産卵
・枝先の枯死
・産卵部分からの枝折れ
などが問題となります。
これまで庭で見たことのない褐色のハゴロモが大量に発生している場合は、チュウゴクアミガサハゴロモの可能性も考えて観察しましょう。
ハゴロモと似た白い虫にも注意
庭木に白いものが付着しているからといって、必ずしもハゴロモとは限りません。
例えば、
・カイガラムシ
・コナカイガラムシ
・アブラムシ類
・植物のカビや病気
などでも、白い付着物が見られることがあります。
ハゴロモの幼虫の場合は、白いロウ状物質の中に虫がいることや、刺激すると跳ねることなどが見分けるポイントになります。
判断が難しい場合は、無理に薬剤を使用するのではなく、虫の形や被害状況を確認してから対策しましょう。
ハゴロモが大量発生したらどうする?
数匹程度であれば自分で除去できる場合がありますが、
「庭木全体が白くなっている」
「何本もの木に発生している」
「毎年大量に発生する」
「他の害虫も同時に発生している」
「自分では虫の種類を判断できない」
といった場合は、専門業者への相談も選択肢になります。
害虫対策では、虫を取り除くだけでなく、なぜその場所で発生したのかを確認することも重要です。
発生源や周辺環境を確認せず、その場にいる虫だけを駆除しても、再び同じ場所で発生する可能性があります。
庭木周辺で害虫が大量発生している場合は、早めに状況を確認しましょう。
ハゴロモについてよくある質問
-
ハゴロモは人を刺しますか?
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ハゴロモは植物の汁を吸って生活する昆虫です。
蚊のように人の血を吸うことを目的とした虫ではなく、ハチのように積極的に人を攻撃する虫でもありません。
庭で見つけても、人への危険性を過度に心配する必要はないでしょう。
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ハゴロモは飛びますか?
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成虫には翅があり、飛んで移動できます。
また、アオバハゴロモなどの幼虫は翅が十分に発達していない時期でも、刺激を受けると跳ねて移動します。
「白い虫に触ろうとしたら突然飛んだ」と感じることがありますが、実際には跳躍している場合があります。
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ハゴロモは放置しても大丈夫ですか?
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数匹程度のアオバハゴロモであれば、すぐに植物が枯れるほど大きな被害につながらないケースもあります。
ただし、大量発生すると吸汁被害やすす病、美観の悪化につながる可能性があります。
また、チュウゴクアミガサハゴロモでは産卵による枝の被害も確認されているため、種類と発生状況を確認することが重要です。
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ハゴロモはゴキブリの仲間ですか?
-
ゴキブリの仲間ではありません。
ハゴロモはカメムシ目に属する昆虫で、セミやヨコバイなどに近いグループです。
見慣れない形をしているため「小さな蛾」「変わったゴキブリ」と思われることがありますが、まったく別の昆虫です。
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白い綿のようなものはハゴロモの卵ですか?
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白い綿状のものは、アオバハゴロモなどの幼虫が分泌するロウ状物質である可能性があります。
白い物質そのものが卵とは限りません。
中に小さな虫がいないか、触れた際に跳ねる虫がいないか確認してみましょう。
まとめ|白い綿のような虫を見つけたら早めに確認しよう
庭木や植木についている白い綿のようなものは、アオバハゴロモなどの幼虫が分泌したロウ状物質かもしれません。
ハゴロモの仲間は植物の汁を吸って生活し、種類や発生数によっては、植物の汚れやすす病、枝への被害などを引き起こすことがあります。
特に近年は、外来種であるチュウゴクアミガサハゴロモの分布が日本各地に広がっています。
白い綿状のものや見慣れない虫を発見した場合は、まず虫の種類や発生範囲を確認しましょう。
少数であれば物理的な除去や剪定などで対応できる場合がありますが、庭全体に大量発生している場合や、何度駆除しても繰り返し発生する場合は、発生原因を含めた対策が必要です。

